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営業活動における商談とは?商談の流れや、成果を上げる3つのコツについて解説します!

2023.11.27

商談とは

商談とは、自社の商品やサービスの取引に関して、顧客と交渉や話し合いをすることです。

顧客が抱えている課題のヒアリングや商品・サービスの案内、料金体系の説明などを行い、お客様から合意いただけた時点で契約となるのが一般的な流れです。

多くの顧客を獲得することで、事業拡大のチャンスがひろがるなど、商談は営業の基礎でありながら、経営の安定や企業の成長のためには不可欠な要素となっています。

「打ち合わせ」との違い

商談と同じく、ビジネスで顧客等と面談をする事項として、「打ち合わせ」というものがあり、しばしば商談と混同されることがありますが、打ち合わせと商談ではその目的が違います。

商談は、商品やサービスの契約前に行われることで、その目的は当然ながら契約の獲得となります。これに対して打ち合わせは契約後に実際に商品やサービスを提供する段階において、各種進捗や進め方、内容の詳細なすり合わせを行うこととなります。

商談の種類

商談にはアプローチの方法などから主に2つの種類があります

アウトバウンド営業

アウトバウンド営業は、企業が積極的に潜在顧客にアプローチする手法です。これには電話、メール、直接訪問などが含まれ、特定の顧客層に焦点を当てることが可能です。

アウトバウンド営業の大きな利点は、ターゲットが明確であり、顧客からの直接的なフィードバックを得ることができる点です。これにより、即座に対応することが可能になります。

一方で、アウトバウンド営業は時間とコストがかかる上、顧客によっては不意のアプローチに対して否定的な反応を示すことがあります。また、大量のリードを処理する際には効率が低下する可能性もあります。

インバウンド営業

インバウンド営業は、顧客が自ら企業に接触してくる形態です。コンテンツマーケティング(ブログ、ソーシャルメディア、SEOなど)を通じて潜在顧客を引き寄せ、顧客のニーズに応じた対応を行います。

インバウンド営業のメリットは、興味を持っている顧客からの接触が多いため、成約率が高くなることと、アウトバウンドに比べてコストが低くなる点です。また、顧客との信頼関係を築きやすく、長期的な関係につながる可能性が高いです。

しかし、魅力的なコンテンツを継続的に作成する必要があり、顧客の関心を引きつけるまでに時間がかかることがあります。また、どのような顧客が接触してくるか予測しにくいという点もデメリットです。

これら二つのアプローチはどちらかが優れているということではなく、顧客獲得の目的などよって適切に組み合わせることが重要です。

アウトバウンド営業はターゲットを明確に定義し、直接的なアプローチを行いたい場合に適しています。一方、インバウンド営業は長期的な関係を築きたい、コストを抑えたい場合に有効です。それぞれの戦略の特性を理解し、状況に応じて柔軟に対応することが、成功の鍵となります。

商談の準備

商談の準備は、成功するための商談の基盤を築くために非常に重要です。事前準備を適切に行うことで、商談の成功率は格段にアップします。

1.相手企業のリサーチ

相手企業のリサーチは、適切な戦略を立てるために最も有効な手段です。

まず、相手企業の業種、規模、市場での立ち位置、競合他社、そして最近の業績に関する情報を把握することにより、その企業のビジネス環境とニーズを理解することができます。この情報は、商談において相手の関心を引き、信頼を築くための具体的な話題を提供します。

さらに、相手企業の企業文化や価値観、過去の決定や戦略について理解することで、提案内容をその企業の方針や目標に合わせることが可能となります。これは、提案が相手企業のビジョンや目標と連携していることを示し、より説得力のあるものにします。

また、相手企業に関する情報は、商談でのコミュニケーションを円滑にし、無駄な時間を避けるためにも重要です。例えば、相手企業が最近直面している課題や業界の動向について事前に知っておくことで、その点に関連した提案や議論を行うことができます。これにより、相手に対してより関連性の高い、価値ある情報を提供することができ、相手の関心を引くことに繋がります。

相手企業のビジネス環境、ニーズ、期待を理解し、それに合わせた戦略を立てることが、効果的な商談を行うための鍵となるのです。

2.提案内容の整理

提案内容を事前にまとめることで、顧客のニーズや課題に直接対応するカスタマイズされた解決策を提供できます。顧客にとって関連性の高い情報や提案は、関心を引き、信頼を築く効果があります。また、提案内容の明確化は、顧客が決定を下す過程での不確実性を減らし、より迅速な意思決定を促進します。

さらに、提案内容をまとめる過程では、顧客に提供する製品やサービスの特徴、利点、そして顧客にもたらす具体的なメリットを整理し、強調することができます。これにより、商談中に顧客が抱きがちな疑問や懸念に先回りして対応することが可能になり、より説得力のある提案を行うことができます。

また、提案内容を事前にまとめることは、商談の流れをスムーズにし、時間を効率的に使うためにも重要です。提案内容が明確であればあるほど、商談中のコミュニケーションは目的に沿って進み、余計な誤解や時間の浪費を防ぐことができます。

商談の流れ

商談の流れは、商談の成功のためには非常に重要な要素です。商談の各ステップには、それぞれ特定の目的があり、これらを適切に実行することで、効果的な結果を得ることができます。

1.挨拶・名刺交換

商談の最初のステップは、挨拶と名刺交換です。この段階で最も重要なのは、良い第一印象を与えることです。自信を持って堂々とした挨拶をし、相手に敬意を示すことで、商談の基礎を築きます。名刺交換では、丁寧に名刺を手渡し、受け取った名刺を適切に扱い、相手への尊重を示します。視線を合わせ、姿勢を正しく保つことも、相手に対する敬意を示す重要な要素です。

2.アイスブレイク

商談におけるアイスブレイクは、相手との間にリラックスした雰囲気を作り出すことを目的としています。この段階では、軽い話題を選び、相手との共通の関心事を見つけることが重要です。例えば、天気や交通状況などの日常的な話題から始め、相手が興味を持っていそうな趣味や最近の出来事について話を広げていきます。この過程で、自然な笑顔を保ちながら、ポジティブな雰囲気を作り出すことが大切です。

3.ヒアリング

ヒアリングは、顧客のニーズ、課題、期待を深く理解し、効果的な提案を構築するために不可欠だからです。ヒアリングを通じて、顧客の声を直接聞き、その情報を元にしたカスタマイズされた解決策を提供することができます。これにより、提案の精度を高め、顧客の満足度を向上させることが可能になります。

ヒアリングの際には、まず「開かれた質問」を使用することが重要です。これは、顧客が自由に思考を展開し、より多くの情報を提供することを促すためです。例えば、「どのような課題に直面していますか?」や「理想的な解決策は何だと考えますか?」のような質問が有効です。

また、アクティブリスニングはヒアリングにおいて非常に重要です。これは、話を真剣に聞き、理解しようとする姿勢を示すことで、信頼関係を築き、より深い情報を引き出すことができます。顧客の言葉に注意深く耳を傾け、適切なフィードバックを与えることで、相手は自分の話に興味を持ってもらえていると感じます。

さらに、ヒアリングの際にはメモを取ることが重要です。これにより、顧客が言及した重要なポイントやニーズを正確に記録し、後の提案で具体的に対応することができます。メモは、顧客の期待や要望を見逃さないための重要なツールとなります。

ヒアリングを通じて顧客の真のニーズを理解し、そのニーズに応える提案を行うことは、商談の成功に直結します。そのためには、開かれた質問、アクティブリスニング、メモの取り方、共感の示し方が重要なポイントです。

4.商品やサービスの提案

ヒアリングで得た情報をもとに、顧客に最適な商品やサービスを提案します。ここで重要なのは、提案する商品やサービスの利点を明確にし、顧客にとってのメリットを強調することです。顧客のニーズに合わせたカスタマイズされた提案が、信頼関係を築き、商談を成功に導きます。

5.クロージング

商談を成立させるために、積極的にクロージングに進みます。質問形式で提案を行い、相手に決断を促します。また、クロージング後のフォローアップの約束をすることで、長期的な関係構築の基盤を作ります。

このように、商談の各段階では、相手との信頼関係を築き、顧客のニーズに基づいた提案を行い、最終的には顧客の満足を得ることを目指しています。各段階での適切な対応と準備が、効果的な営業活動につながります。

商談で成果を出すための3つのコツ

商談をうまく成功させ、成果を出すためには、以下の4つのポイントがあります。

商材についての知識・理解を深める

商談で成果を上げるためには、自社商品やサービスに関する深い知識が不可欠です。これは顧客に信頼感を与えるための基礎であり、専門性と信頼性の証となります。自社の商品やサービスを熟知していることにより、顧客の質問に迅速かつ的確に答えることができます。これは顧客の疑問や不安を解消し、安心感を与える効果があります。

さらに、深い製品知識は、顧客のニーズに対するカスタマイズされた解決策を提案する際に重要です。顧客の特定の要求や問題に対して、最適な製品やサービスを提案することで、その価値を明確に伝えることができます。また、製品やサービスの機能、利点、使用方法を正確に理解していることは、顧客に対してその製品やサービスがもたらす具体的な利益を説明する際にも重要です。

自社の製品やサービスに関する深い知識は、競合他社との比較でも有利に働きます。顧客が他の選択肢を検討している場合、自社製品の独自性や優位性を明確に示すことができ、顧客の決断に影響を与える可能性があります。

最終的に、製品知識は顧客との信頼関係を築く上での重要な要素です。専門知識を持つことで、顧客はあなたやあなたの企業を信頼し、長期的なビジネス関係を築く基盤が形成されます。したがって、自社の商品やサービスに関する深い知識を持つことは、商談の成果を上げるための重要なポイントです。

ロープレなど、商談のトレーニングを積む

商談で成果を上げるためには、ロープレなどの商談トレーニングを積むことが非常に重要です。このトレーニングは、実際の商談において遭遇する可能性のあるさまざまな状況に対処するためのスキルと自信を構築するのに役立ちます。ロープレによって、特定の商談シナリオを練習することができ、その過程で質問の処理、異論への対応、提案の方法など、実際の商談で必要とされる多くの技術を磨くことができます。

トレーニングはまた、自分のアプローチを見直し、改善する機会を提供します。自己反省やフィードバックを通じて、商談の技術を洗練させることが可能となります。特に、異なるタイプの顧客や異なる反応に適応する方法を学ぶことは、柔軟性と対応力を高めるのに重要です。

さらに、商談のトレーニングを積むことで、プレゼンテーションやコミュニケーションの技術が向上します。効果的にポイントを伝え、聞き手の関心を引きつける方法を学ぶことができます。これは、商談で顧客の関心を維持し、説得力のある提案をするために不可欠です。

商談のトレーニングは、不確実性やプレッシャーの下でのパフォーマンスを向上させるのにも役立ちます。実際の商談においては予期せぬ質問や状況が発生する可能性があり、事前のトレーニングによってこれらの状況に冷静かつ効果的に対応することができるようになります。

総じて、ロープレなどの商談トレーニングは、実際の商談で必要とされるスキルを開発し、自信を構築し、最終的には商談の成果を最大化するための重要な手段です。

トークスクリプトの用意など事前準備をする

商談で成果を上げるためには、トークスクリプトの用意などの事前準備が非常に重要です。事前準備は、商談中に自信を持って話すための基盤を築きます。トークスクリプトを用意することで、重要なポイントを見逃さず、メッセージを明確に伝えることができます。これにより、商談の流れをスムーズにし、時間を効率的に使うことができます。

また、スクリプトは、質問や異論に対する回答を予め考えることを可能にします。これにより、顧客からの予期しない質問や懸念に迅速かつ適切に対応できるようになり、商談の進行に自信を持って臨むことができます。

さらに、事前準備は、顧客に対してプロフェッショナルで準備ができている印象を与えます。顧客は、準備の行き届いたプレゼンテーションを通じて、その企業や製品への信頼を深めることができます。

事前準備はまた、商談の自己評価や改善の機会を提供します。スクリプトに基づいて進行することで、どの部分がうまくいったか、どこが改善が必要かを把握しやすくなります。

総じて、トークスクリプトの準備を含む事前準備は、商談を効果的に進行させるための重要なステップです。これにより、より説得力のあるプレゼンテーションを行い、商談の成果を高めることが可能になります。

商談で使えるつのテクニック

SPIN話法

SPIN話法とは、Situation(状況)、Problem(問題)、Implication(影響)、Need-payoff(解決の利益)の頭文字を取ったもので、商談の流れを効果的に構築するための質問手法です。

まず「状況」の質問では、顧客の現在の状況や背景について理解を深めます。これにより、商談の基本的な枠組みを設定し、顧客のビジネス環境についての基礎知識を得ることができます。

次に「問題」の質問を通じて、顧客が直面している具体的な課題や問題点を明らかにします。この段階で特定された問題は、後の段階での提案の根拠となります。

「影響」の質問は、特定された問題が顧客にどのような影響を及ぼしているかを掘り下げます。これにより、問題の緊急性や重要性を顧客自身が認識するよう促します。

最後に「解決の利益」の質問では、自社の製品やサービスが顧客の問題をどのように解決し、どのような利益をもたらすかを探ります。これは顧客に自ら解決策の価値を認識させ、購買意欲を高めるための重要なステップです。

SPIN話法は、顧客のニーズに焦点を当て、問題解決型のアプローチを促進するため、商談での成果を高める強力なテクニックとされています。

PREP話法

PREP話法とは「Point(ポイント)」、「Reason(理由)」、「Example(例)」、「Point(再度ポイント)」の頭文字を取ったもので、一貫性のある論述を構築するための手法で、論理的で明確なコミュニケーションを促進し、説得力のあるメッセージを構築するのに効果的です。

「ポイント」では、主張や提案の核心を簡潔に提示します。これにより、話の出発点を明確にし、聞き手の注意を引きます。

「理由」の部分では、提案の根拠や理由を説明します。この段階で、提案の妥当性や有効性を論理的に支える情報を提供します。

次に「例」を用いて、理由を具体的な事例やデータで補強します。実際の事例や具体的なデータは、理由に説得力を加え、理解を深めるのに効果的です。

最後に、初めに提示した「ポイント」に戻り、主張を再度強調します。これにより、話の要点を強化し、聞き手にメッセージをしっかりと印象付けます。

PREP話法は、商談において自社の提案や意見を論理的かつ効果的に伝えるための強力なツールです。この方法は、聞き手に対して明確で理解しやすい説明を提供し、説得力を高めるために広く使用されています。

応酬話法

応酬話法は、顧客の発言や質問に対して、適切に反応し、商談を前進させる手法です。このアプローチは特に、顧客からの懸念や異論に対処する際に有効です。

応酬話法では、まず顧客の発言や質問を正確に理解し、それに基づいて反応します。これには、アクティブリスニングが重要で、顧客の言葉を注意深く聞き、理解したことを確認することが含まれます。次に、顧客の懸念や疑問に対して、具体的かつ関連性の高い情報を提供し、誤解を解消したり、質問に明確に答えたりします。

応酬話法の効果的な実践には、顧客の見解や意見に対して共感を示すことも重要です。これにより、顧客との信頼関係を築くことができ、よりオープンなコミュニケーションが可能になります。さらに、顧客の懸念を解消するために、自社製品やサービスの特定の機能や利点を強調することも含まれます。

応酬話法は、顧客との対話を通じて商談を有利に進めるための重要なテクニックです。顧客のニーズや懸念に対する理解と適切な対応を通じて、信頼を築き、商談の成果を高めることができます。

まとめ

商談は、営業活動の基本であり、新規顧客の獲得は、経営の安定や企業の成長には重要な要素です。

顧客に応じた適切な対応をとることで成功率を高め、効率的な営業が行えるよう、日々心掛けていきましょう。

最後に、クロス・オペレーショングループは、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化に向けたコンサルティングサービスを提供しています。商談について担当者によって成果に大きな差が出てしまったり、企業をスケールする際にハイパフォーマーのノウハウをうまく言語化できないなど、標準化された営業プロセスの構築に困っている方は、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

Operation事業部

佐久間 純也

2023年6月入社。老舗の卸売業者にて経理をはじめとしたバックオフィス全般、営業事務等の業務改善を経験した後、地域の会計事務所にて、経営財務コンサルタントとして従事。財務会計分野だけでなく、お客様の課題解決に広く携わりたいと思い、クロス・オペレーショングループに入社。お客様に寄り添ったヒアリング、課題整理が得意。娘の影響で最近TVゲーム熱が再燃している。

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