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受注確率を高める! 提案資料作成の3つのポイントと基本構成13項目

2023.11.20

提案資料は、ビジネスにおいて極めて重要な資料です。にもかかわらず、正式な作成方法を学ぶ機会が少なく、多くの方が自己流や他人の資料を参考にしながら書いているのではないでしょうか。

この記事では、受注確率を高めるための理解しやすく説得力のある提案資料の作り方の3つのポイントや提案資料に盛り込むべき基本構成の13項目について詳しく解説します。

提案資料とは

提案資料は、提案される側の課題に対し、解決策や推奨するアクションを提示するものです。これは、受け手が提供された情報を理解し、検討し、提案を採用するかどうかを決めるための重要な基礎資料となります。

顧客の問題点を明確に指摘し、それに対する改善策やアイデアを提示することで、自社のサービスがなぜ最適な解決策であるのかを示すことが求められます。提案資料が相手に受け入れられ、具体的な意思決定へと結びつけられる資料が、優れた提案資料と言えます。

提案資料を作成するときの3つのポイント

受注につなげる提案資料を作成するためには、3つのポイントがあります。次にこのポイントについて解説します。

顧客の課題を認識できているか

提案資料作成において最も避けなければならないことは、顧客の課題を正確に理解していないことです。課題の認識が誤っていれば、いくら資料を練り上げても、結果としては見当違いの提案に終わってしまうでしょう。よって、顧客の課題に関するリサーチは丁寧に行わなければなりません。

さらに、顧客が自らの課題に気づいていない場合も少なくありません。彼らがその問題を認識しているのか、また解決が可能であることを知っているのかなどを踏まえ、提案資料は商談の各段階で適切な内容に調整することが重要です。

明確なメリットを提示できているか

提案資料においては、提案から得られるメリットを明瞭に示すことが不可欠です。このメリットが、提案を採用するか否かの決定的な要因となるためです。提案がどのような利益を顧客にもたらすのかを、数字や金額などの具体的なデータを用いて詳細に説明し、説得力を高めましょう。

また、このようなデータは、提案の価値を裏付ける強力な手段となります。図表やグラフなどの視覚的な要素を取り入れることで、提案の明確なメリットが受け手に直感的に伝わり、理解しやすくなります。

提案内容は実現可能か

たとえ提案がもたらすメリットが顕著であっても、それが顧客にとって現実的に実施可能ではない場合、その提案は成立しません。実行に移すにあたっての予算やスケジュールを立案する際には、顧客の負担にならないように細心の注意を払い、現実的な計画を提示することが重要です。

顧客が「どれくらいの費用がかかり、どの時点でどんな効果が期待できるのか」という点を明確に理解できるようにすることで、提案はより具体性を帯び、信頼性が増します。

提案資料の基本構成

提案資料の構成は、その目的や対象によって多少の変化はあるものの、一般的には一定のフォーマットに則っています。ここでは、特に「社外向け(顧客向け)」の提案資料でよく用いられる、パワーポイントを使用した数ページにわたるオーソドックスな構成例に焦点を当てて説明します。

①表紙

「表紙」は、提案資料における最初の印象を決定づける重要な要素であり、一種の顔とも言えます。提案資料のタイトルには、提案の内容とそれによって顧客が享受するであろうメリットを簡潔かつ鮮明に伝える役割があります。このとき、提案先企業が日常的に用いる用語を取り入れることで親近感を与え、彼らが目指す理想の状態を惹きつける表現を心がけてください。

②挨拶(はじめに)

「はじめに」のセクションは、提案を受け入れてくれたことへの謝辞とともに始まります。これは、ビジネスにおける礼節を表し、良好な関係の基盤を築くために不可欠です。ここには、提案内容の概要、提案に至った経緯や背景も含め、簡潔にまとめて記載します。ただし、関係が既に確立している顧客への短い提案資料や、直接の会話で補える情報は挨拶を省くことも考慮に入れます。挨拶を入れるかどうかは、提案資料の文脈や顧客との関係性を基に判断します。

③アジェンダ/目次

アジェンダまたは目次は、提案の全体像と流れを一覧できる便利なツールです。特に時間に制約のある顧客が迅速に提案資料の要点を把握する際に役立ちます。提案資料のページ数や内容の密度、さらには受け手の特性を考慮し、アジェンダの掲載は提案の文脈に合わせて選択します。

④与件整理

提案資料における「与件整理」は、解決すべき課題について事前に確認された要件や、プロジェクトの期限や予算などの条件を明らかにするセクションです。ヒアリングや事前のコミュニケーションを通じて得た情報を整理し、提案資料のこの部分で明示します。これにより、提案の出発点が明確になり、提案内容が顧客の現状とニーズに即していることを示すことができます。

⑤課題の定義

提案先が抱える課題を明確に示すことは、効果的な提案資料には不可欠です。このスライドでは、顧客の現状と理想との間のギャップを視覚的に描くことで、問題点を直感的に理解できるようにしましょう。図式を用いて課題を視覚化することで、問題の本質がより明確に伝わります。

⑥提案内容

提案資料の核となる部分が「提案内容」です。ここでは、挙げた課題に対する解決策の方針や概要を提示します。このセクションは、提案の具体的な詳細に先立って、そのアプローチの全体像を分かりやすく伝えることが目的です。また、提案資料が第三者の手に渡ったとしても、このスライドだけで提案の要点を把握できるように構成することが重要です。

⑦提案を採用するメリット

提案を実施することで得られる利益を、数字や具体的なデータを用いて明確に示します。これは、提案先が提案の価値を直感的に理解しやすくするためです。数値で表現できないメリットも、可能な限り具体的な成果として提示します。例えば、「未開拓市場へのアクセスの可能性」や「特定の顧客層の認知度向上」など、具体的な未来のシナリオを描くことが重要です。ただし、自社の提案の特徴を羅列するだけでなく、顧客の視点からのメリットに焦点を当てることを忘れないでください。

⑧提案の詳細

「提案の詳細」スライドでは、「提案内容」で触れた概要を深堀りし、実行方法やステップ、具体的な計画を明確にします。ここでは、提案の実現性について、細かい部分まで詳細にわたって説明し、いかなる疑問や不明点も残さないように心がけましょう。曖昧な記述は信頼を損ねる原因となり得るため、顧客が持つであろう疑問に対してもあらかじめ答えを用意しておくことが重要です。

⑨事例

「事例」スライドでは、提案の実践性と効果を証明するために、以前に成功した事例や実績を提示します。ここでは、類似の課題を抱える他社がどのように問題を克服し、どのようなメリットを享受したのかを示すことで、提案資料の説得力を高めます。自社の信頼性と実績をアピールすることで、提案先の意思決定にプラスに働くことができます。

⑩体制

「体制」スライドでは、提案したプロジェクトやサービスの実施にあたり、どのような組織構造、役割分担、人員配置が行われるのかを具体的に描きます。特に、顧客と協働するプロジェクトの場合には、双方の責任分担を明確にすることで、顧客に安心感を提供し、スムーズなプロジェクト進行を促進します。

⑪スケジュール

「スケジュール」スライドは、提案内容の実施タイムラインを示します。このスライドでは、実施時期、担当者、具体的なアクションを時系列に沿って配置し、プロジェクトがいつ始まり、どのように進行し、いつ完了するのかが一目で理解できるようにします。提案先との共同プロジェクトの場合は、双方のタスクとそれに関連するスケジュールを明確に記載し、実現可能なプランニングを伝えることが肝心です。これにより、提案先は提案内容をスムーズに実行するための準備や調整が行えるようになります。

⑫費用

「費用」スライドでは、提案内容を実施するために必要な金額を詳細に示します。タイトルは提案の文脈や受け手に合わせて「投資概算」「予算の概要」「コスト見積もり」などに変更することが可能です。総額だけでなく、その内訳も示すことで、提案先は費用の正当性を評価しやすくなります。また、複数のプランを提示する場合や大規模なプロジェクトの場合には、オプションごとの費用やフェーズごとの投資額を提示することで、提案先が予算に合わせた選択肢を考慮しやすくなります。

⑬会社概要・実績

提案資料を締めくくる「会社概要・実績」スライドは、自社の事業内容、強み、そしてこれまでの成果や成功例を紹介することで、提案先に信頼感を与えます。社外向けの提案資料にはこのセクションを含めることで、提案資料の説得力を一層高めることができます。

まとめ

本記事では、受注率を上げるための提案資料の作り方の3つのポイントや基本構成の13要素について解説しました。ぜひ本記事を参考に提案資料作りに取り組んでみてください。

最後に、クロス・オペレーショングループは、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化に向けたコンサルティングサービスを提供しています。自社のオペレーションを改善したい方や、オペレーションの構築に時間がなくて困っている方は、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

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