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ROAとは?ROAの計算式・使い方や分析方法を解説

2023.08.09

はじめに

ROA(Return on Assets)は、企業の収益性を評価するための財務指標の1つです。収益性と経営効率を評価する重要な財務指標となります。本記事では、ROAの計算式や使い方・分析方法まで解説します。

ROAとは?

ROA(Return on Assets)は、企業が保有する総資産を活用して生み出した利益の割合を示す指標です。高いROAは効率的な資産運用を示し、低いROAは資産の効率的な活用が課題となることを示します。ROAは、企業がその資産をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標であり、投資家や経営者にとって重要な情報源となります。

ROAの計算式

ROAは、以下の式で計算されます。

ROA = 純利益 / 総資産

ここで、純利益は企業の税引前利益から税金や利息などの費用を差し引いたものを指します。総資産は、企業が保有する総資産の金額を表します。

ROAの値が高いほど、企業は少ない資産で多くの利益を上げていることを示し、効率的に運営されていると評価されます。一方、ROAが低い場合は、資産を十分に活用できていない可能性があり、経営の改善が必要とされるかもしれません。

ROAの解釈は、業種や企業の特性によって異なります。ROAは業績の評価に加えて、企業間の比較や時間の経過によるトレンドの分析にも利用されます。しかし、ROAは単独の指標として評価する際には他の要因や指標との組み合わせで見ることが重要です。たとえば、企業の規模や市場の競争状況などの要素も考慮する必要があります。

ROAの使い方

ROAの使い方をいくつか説明します。

1. 企業の収益性を評価する

ROAは、企業が保有する総資産を活用していかに利益を生み出しているかを示すため、収益性を評価するのに役立ちます。ROAが高い企業は、少ない資産で多くの利益を上げている可能性があります。一方で、ROAが低い企業は、資産を十分に活用できていない可能性があるため、収益性向上のための対策を検討する必要があります。

2. 業績の比較

ROAは異なる企業の収益性を比較するのに役立ちます。同じ業種や市場に属する企業のROAを比較することで、業界内でどの企業がより効率的に運営されているかを把握できます。

3. 時間の経過によるトレンド分析

ROAは期間ごとに計算することで、企業の収益性における変化やトレンドを把握するのに役立ちます。過去のROAの推移を分析することで、企業の業績の成長や減少の傾向を把握し、将来の収益性を予測する手がかりとなります。

4. 投資判断の基準

ROAは、企業の経営状況を把握する上での重要な要素であり、投資家が投資判断をする際の参考指標として利用されます。ROAが高い企業は、投資家にとって魅力的な選択肢と見なされることがあります。

ただし、ROAは単体で企業の評価を行うには不十分な場合もあります。他の財務指標や業績の要素との組み合わせで見ることが重要です。さらに、ROAは業種によっても異なる傾向があるため、業界標準との比較を行うことも重要です。

ROAの分析方法

ROA(Return on Assets)の分析方法は以下のステップで行われます。

1. 企業の財務諸表取得

ROAを計算するためには、企業の収益計算書(損益計算書)と財務諸表のバランスシートが必要です。これらの諸表は企業の会計帳簿から取得します。

2. 純利益の計算

ROAの分子は企業の純利益です。純利益は企業の税引前利益から税金や利息などの費用を差し引いたものです。

3. 総資産の計算

ROAの分母は企業の総資産です。総資産は企業が保有する全ての資産(現金、建物、機械装置、在庫など)の合計です。

4. ROAの計算

純利益を総資産で割ることで、ROAを計算します。ROA = 純利益 / 総資産

5. ROAの解釈

ROAの値が高い場合、企業は資産を効率的に活用して利益を上げていると判断されます。一方で、ROAが低い場合は、資産を効率的に活用できていない可能性があり、収益性向上や経営改善の必要性が示唆されます。

6. 業界平均との比較

ROAは業界や経済状況によって異なる傾向があります。そのため、同じ業界の企業の平均ROAと比較することで、企業の収益性が業界水準よりどれだけ優れているかを把握できます。

7. トレンドの分析

ROAは時間の経過によって変動します。過去のROAの推移を分析することで、企業の収益性のトレンドを把握し、将来の業績を予測する参考とします。

ROAは財務分析において重要な指標であり、企業の収益性と経営効率を評価する際に役立ちます。ただし、ROAは他の要因や指標と併せて評価することが重要であり、単体では企業の状況を完全に把握することは難しい場合があります。

 まとめ

ROA(Return on Assets)は、企業の収益性を評価するための財務指標の1つです。企業がその資産をどれだけ効率的に活用して利益を生み出しているかを示す指標であり、投資家や経営者にとって重要な情報源となります。ROAを把握することで、企業の収益性と効率性を評価し投資判断や経営の意思決定に役立てることができます。

最後に、クロス・オペレーショングループは、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化に向けたコンサルティングサービスを提供しています。企業の課題の分析などの時間がなくて困っている方は、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

Operation事業部

有元 咲希

2023年6月中途入社。保険業界で個人向けの保険販売の営業職を経験した後、SNSマーケティングのコンサル業に従事。コンサル業界で今後さらに経験を積みたいと思い、クロス・オペレーショングループに入社。現在は新規事業の営業部署の組織構築やオペレーション改革プロジェクトを担当。趣味はアニメとお笑い。

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