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コンサルティングとは?コンサルティング会社の種類から依頼するメリット・選定方法までご紹介
2023.05.23
自社の課題解決のためにコンサルティング会社に依頼したいと思っている方は多いのではないでしょうか。ひとことに「コンサルティング会社」と言っても、その種類や得意とする分野はさまざまであり、自社に合った最善のパートナーを選ぶ必要があります。
この記事では、コンサルティング会社の種類や依頼するメリット、数あるコンサルティング会社から適切な会社を選ぶ4つの方法をご紹介します。
コンサルティングとは?
コンサルティングとは、特定の分野における豊富な経験と深い知識をもとに、クライアントの課題を解決するための解決策を示し、施策の立案や実行などを担う業務のことを示します。
英語で「consult」とは「相談する、意見を聞く」という意味です。語源はラテン語の「consulere(相談する)」といわれています。
また、クライアントの相談に乗る人を「コンサルタント」と言います。
コンサルティング会社の提供するサービス
クライアントの課題解決のため、コンサルティング会社が提供するサービスとしては、具体的にどのようなものがあるのか紹介します。
情報を収集・整理し、課題解決策や戦略を提案
クライアントの課題解決や、事業を成長させるための戦略立案には、まずは詳細なリサーチが必要です。市場環境や業務の状況・規制措置等に関する洗い出しを行い、情報を取捨選択・整理をして解決策や戦略の立案につなげます。
クライアントの課題を明らかにし、課題点を整理するということには、クライアントからのヒアリングも重要です。コンサルティングの範囲によっては、現場の社員やマネージャー、その他のステークホルダーなどへのインタビューにより情報を集めることもあります。
戦略の実行、および課題課題解決の実行
戦略や解決策を提案するだけでなく、実際にクライアントに伴走して経営課題の解決までを行うことが多くなっています。タスクやスケジュールなど具体的な計画に落とし込み、リソースの確保やマネジメント、プロジェクト進行管理などを行い、課題の解決を目指します。
実際の課題解決まで踏み込んだコンサルティングには、例えば以下のようなものがあります。
(1)組織変革の実行およびマネジメント
組織における変革は、時に困難なプロセスです。しかし、コンサルティング会社は組織変革の実行とマネジメントにおいて重要な役割を果たします。組織内にはしがらみや利害関係が存在し、変革の妨げとなることもありますが、コンサルタントはチェンジ・マネジメントの専門家として、組織変革を支援します。
まずは変革の必要性を明確にし、戦略と計画を策定します。その後、変革を進める上での障害に対して対処策を選択・適用していきます。進行管理を通じて変革の進展状況や実績を評価し、最終的な目標の達成をサポートします。
(2)組織・制度改革と実現のためのシステム化
経営管理の高度化や制度改革は、企業の成長に欠かせない要素です。コンサルティング会社は、SCMやCRMなどの領域での制度改革やリスク・コンプライアンスへの対応など、幅広い分野での組織・制度改革を支援しています。
それぞれのコンサルティング会社は、得意な分野やベストプラクティスを持っており、クライアントの現状や課題に合わせて変更を行い、実現するためのITシステムの選定や構築までを手掛けます。組織や制度の効率化・最適化によって、企業の競争力強化や成果の最大化を実現します。
(3)管理者およびスタッフの訓練・開発
クライアントの継続的な成長・発展のためには、コンサルティングの効果を一時のものとするのではなく、コンサルティング期間終了後もクライアント自身で自己改善していくことが理想です。
そのため、コンサルティング期間においては、通常の情報提供や助言・診断を行いながら、クライアントの管理者およびスタッフの教育・研修カリキュラムを同時に組み合わせることがあります。 そのために、コンサルティング企業は訓練や開発のサポートを行います。その目的は、クライアントの管理者やスタッフの能力向上や知識の拡充です。コンサルティング企業は、具体的な課題解決のためのスキルやツールの提供、ワークショップやセミナーの開催、または個別指導やコーチングを通じて、クライアントの人材育成に貢献します。
コンサルティング会社の種類
前述しているようにコンサルティング会社は、それぞれの強みや専門性を持っています。コンサルティング会社にはどのような種類があるのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
戦略系コンサルティング会社
戦略系コンサルティング会社は、経営戦略に特化したアドバイザリーサービスを提供する企業です。主にクライアントの業界分析や競争環境の把握、成長戦略の策定などをサポートします。戦略系コンサルティング会社は、経営陣と連携しながら、長期的な企業価値向上を実現するための戦略的な意思決定を支援します。
IT系コンサルティング会社
IT系コンサルティング会社は、情報技術に関連する課題に特化したコンサルティングサービスを提供する企業です。主にクライアントのITインフラストラクチャの最適化、ソフトウェア開発プロジェクトの管理、デジタルトランスフォーメーションの支援など、IT戦略の策定や実行をサポートします。ITの進化がビジネスに与える影響を理解し、クライアントの競争力を向上させるために活動します。
金融系コンサルティング会社
金融系コンサルティング会社は、金融機関が直面する課題に対して専門的な支援を行います。主に規制環境の変化への適応、業界の競争力向上、リスク管理の強化など、金融機関の経営課題に対する解決策を提供します。また、金融商品やサービスの開発、財務戦略の策定、M&Aや統合の支援など、幅広い業務領域においてクライアントを支えます。
シンクタンク系コンサルティング会社
シンクタンク系コンサルティング会社は、政府や国際機関・非営利団体などのクライアントに対して政策提案や戦略的なアドバイスを行います。主に社会的な課題や政策問題に関する研究・分析を行い、それに基づいて戦略や政策の立案を支援します。シンクタンク系コンサルティング会社は、社会の発展や公共の利益に貢献するために、実証的な情報と専門知識をもとにクライアントをサポートします。
総合系コンサルティング会社
総合系コンサルティング会社は、幅広い業界や領域にわたってコンサルティングサービスを提供する企業です。主に経営戦略、組織改革、業務プロセスの最適化、財務戦略など、多岐にわたる課題に対して総合的なアドバイスを提供します。総合系コンサルティング会社は、クライアントのビジネス全体を俯瞰し、総合的な解決策を提案することで、企業の成長と競争力の向上をサポートします。
オペレーションコンサルティング会社
オペレーションコンサルティング会社は、企業の生産性向上や効率化、品質管理、サプライチェーンの最適化など、業務プロセスに関する課題に取り組みます。現場の業務フローを詳細に分析し、ボトルネックやムダを特定して改善策を提案します。また、クライアントの従業員教育や変革プロセスのサポートも行い、改善策の実施と持続的な成果の確保をサポートします。
コンサルティング会社へ依頼する5つのメリット
ただ漠然とコンサルティング会社へ仕事を依頼しても、成果は現れにくいです。まずコンサルティング会社へ依頼するメリットを理解したうえで、依頼する目的や理由を明確にすることが重要です。ここではコンサルティング会社へ依頼する5つのメリットを解説します。
(1)クライアントが持つ課題の整理・可視化ができる
コンサルティング会社は客観的な視点からクライアントの課題を整理し、可視化することが得意です。経験豊富なコンサルタントは、適切なフレームワークや分析手法を用いて課題の本質を明らかにします。クライアントは自社の内部視点に囚われることなく、客観的な視点から課題を把握できるため、適切な戦略やアクションプランの策定に役立ちます。
(2)専門的な知識や経験を活用できる
コンサルティング会社は多様な業界や領域にわたる経験と専門知識を持っています。経験豊富なコンサルタントは、常にトレンドやベストプラクティスを把握し、市場の変化や競合状況に精通しています。クライアントはコンサルタントの知識と経験を活用することで、新たな視点やアイデアを得ることができます。これにより、より効果的な戦略や施策を立案し、競争力を強化することができます。
(3)効率よくスピーディに課題を解決できる
コンサルティング会社は、効率的な問題解決手法を持ち、スピーディに結果を出すことができます。経験豊富なコンサルタントは、データ分析やプロジェクトマネジメントのスキルに優れており、迅速な課題解決に取り組みます。また、豊富な経験から得られたノウハウやベストプラクティスを活用し、効率的な手法やプロセスを導入することで、タイムリーかつ効果的な成果を生み出します。また、コンサルティング会社の専門知識と経験は、課題解決のスピードを向上させるだけでなく、リスクの最小化にも寄与します。クライアントはコンサルティング会社のサポートを受けることで、時間とリソースを効果的に活用し、素早く課題を解決することができます。
(4)ステークホルダーの理解を得られやすくなる
コンサルティング会社は中立的な立場から業界や市場の動向を分析し、ステークホルダーの視点を理解することが得意です。幅広い関係者との対話を通じて、企業の内外の期待や要求を把握し、組織内外での意見調整やコミュニケーションの円滑化を支援します。クライアントはコンサルタントの協力を得ることで、ステークホルダーの理解を深め、戦略的な意思決定や変革プロセスをスムーズに進めることができます。
(5)社内にノウハウが蓄積されやすくなる
コンサルティング会社の専門知識と経験は、単なるプロジェクトの成果だけでなく、社内におけるノウハウの蓄積にも寄与します。経験豊富なコンサルタントは組織内のメンバーやチームと連携し、知識やスキルの共有を促進します。プロジェクトを通じて得られたベストプラクティスや成功事例は、クライアント自社内での学習と成長の機会となります。
また、コンサルティング会社はトレーニングやワークショップなどの形式で知識とスキルの転換を支援します。クライアント自社内の従業員に対してトレーニングプログラムを提供し、業務上の課題解決や改善手法の導入をサポートします。これにより、企業内部での能力開発が進み、持続的な成果を生み出すことができます。
コンサルティング会社選定で抑えておくべき4つのポイント
ビジネスの課題解決や成長戦略を支援してくれるコンサルティング会社の選定は、企業にとって重要な決断です。しかし、数多くのコンサルティング会社が存在する中で、どの会社を選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。ここでは、コンサルティング会社選定の際に抑えておくべき5つのポイントについて紹介します。これらのポイントを押さえることで、より適切なコンサルティングパートナーを見つけることができます。
(1)仕事を依頼する目的を明確にする
コンサルティング会社を選定する前に、まずは自社の課題やニーズを明確にしましょう。具体的な目標や期待する成果を明確にすることで、コンサルティング会社との相性や適切なアプローチを評価することができます。コンサルティング会社は多岐にわたるサービスを提供していますが、目的に応じた専門性やアプローチを持つ会社を選ぶことが重要です。
(2)専門性と過去の実績を確認する
コンサルティング会社の専門性や過去の実績は、信頼性や信用性を評価する上で重要な要素です。コンサルティング会社のウェブサイトや資料、実績事例を調査し、彼らが得意とする業界や領域、解決してきた課題について確認しましょう。また、コンサルタント個人の経歴やスキルセットもチェックし、自社のニーズとマッチしているかを確認しましょう。信頼できるコンサルタントとのパートナーシップは成功への大きな一歩となります。
(3)わかりやすい言葉遣いで説明してくれるかを確認する
コンサルタントの役割は複雑なビジネスの課題を解決することですが、それをわかりやすく説明する能力も重要です。コンサルティング会社選定の際には、彼らがどれだけわかりやすい言葉遣いで説明してくれるかを確認しましょう。専門的な知識や手法を持っていても、それをクライアントに理解してもらえなければ意味がありません。
良いコンサルタントは、複雑な概念や解決策を分かりやすく説明し、クライアントが抱える問題や課題に対して具体的なアクションプランを提案します。彼らは専門用語や業界固有の言葉を避け、クライアントが理解しやすい言葉でコミュニケーションを図ります。説明が明快でわかりやすいコンサルタントを選ぶことで、意思決定や戦略の立案において円滑なコミュニケーションを確保することができます。
(4)相場を把握して妥当な費用かを確認する
コンサルティング会社の選定において、費用は重要な要素です。しかし、安価な料金だけに目を向けるのではなく、相場を把握し、妥当な費用かを確認することも重要です。
まずコンサルティング業界での報酬の決め方を抑えましょう。一般的には、3つの方式があります。
- プロジェクト報酬(チャージレート報酬)方式
作業時間×単価で計算するシンプルな方式です。 - 成果報酬
成果の達成度に応じて報酬が決まります。ただし完全な成果報酬ではなく、基本報酬(着手金)と成果報酬を組み合わせるのが一般的です。例えばマーケティングコンサルティングの場合、マーケティング戦略を策定する時点で基本報酬を払います。その後目標としたマーケティング指標を達成した時点で成果報酬を払う方式です。 - 定額報酬(アドバイザリー契約)
作業担いではなく契約で決めた相談回数・時間で報酬が決まります。顧問やアドバイザー契約によく使われる方式です。
コンサルティングの費用は、プロジェクトの規模や内容、コンサルタントの経験や専門性によって異なります。市場の相場を把握することで、適切な価格設定かどうかを判断することができます。高すぎる費用はコスト効果が見合わないかもしれませんし、安すぎる費用は十分な品質や価値を提供できない可能性があります。
コンサルティング会社選定の際には、複数の会社から見積もりや提案を受け取り、料金体系やサービス内容を比較しましょう。また、料金に含まれるサービスや支援範囲、契約条件なども確認することをおすすめします。費用だけでなく、提供される価値や効果を総合的に考慮し、コストパフォーマンスの高いコンサルティング会社を選ぶことが重要です。
まとめ
本記事では、コンサルティングについて解説し、コンサルティング会社の提供するサービスやメリット、そして選定のポイントについて紹介しました。コンサルティング会社の選定は重要な決断ですが、適切なパートナーを見つけることで企業の成長や問題解決に大きく貢献することができます。是非、本記事を参考にして、自社に最適なコンサルティング会社を選んでください。
最後に、クロス・オペレーショングループは、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化に向けたコンサルティングサービスを提供しています。自社のオペレーションを改善したい方や、オペレーションの構築に時間がなくて困っている方は、ぜひご相談ください。
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