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売上を上げる!売上向上の5原則とBtoB企業向けの8つの具体的な方法・施策を紹介

2023.11.20

企業にとって持続的な業績向上は日々の運営で直面する最大の課題の一つです。売上は企業の生命線であり、その向上は単に数値を増やすこと以上の意味があります。売上を上げることにより、企業が健全な財務構造を維持し、投資を引き寄せ、優れた人材を惹きつけることができるようになります。売上を上げることは、企業がその使命とビジョンを実現する上での根幹となるのです。

本記事では、特にBtoB企業の経営者やマネージャー層に向けて、「売上を上げる」という目標を達成するための効果的な方法と、それを可能にする8つの具体的な施策を紹介します。

売上を構成する3つの要素

成功するビジネスのためには、売上を構成する3つの要素に着目することが重要です。まずはこの3要素である、客数・成約率・顧客単価について解説します。

顧客数: ビジネスのリーチを広げる

顧客数は、自社がリーチしている市場の潜在顧客の数を指します。より多くの潜在顧客にアプローチすることは、売上の増加に直結します。このためには、マーケティングキャンペーンの最適化、ターゲット市場の拡大や新市場への進出が有効です。

ただし、ただやみくもに客数を増やせば良いわけではありません。適切な顧客にアプローチしなければ、この後に解説する成約率が上がりません。つまり、質も量も重要なのです。

成約率: 効率的なコンバージョンを目指す

次に成約率は、見込み客を実際の顧客に転換する能力を表します。これは営業チームのスキル、商品やサービスの魅力、さらには顧客体験の質によって左右されます。成約率を高めるには、効果的なセールスファネルの構築、クオリティの高いリードの確保、そして顧客との関係構築に重点を置く必要があります。すべての潜在顧客が実際の購入者になるわけではありませんが、成約率を改善することで、売上の大幅な改善を見込むことができます。

顧客単価: 収益性の最大化

最後に、顧客単価は一人の顧客が平均してどれだけの収益をもたらすかを示します。顧客単価を高めるためには、より価値の高い商品やサービスを顧客に提供すること、アップセルやクロスセルの機会を最大限に活用すること、顧客がより頻繁に購入するよう促すことが必要です。顧客単価を増加させることは、売上を上げるための効率が良く、既存の顧客ベースからより多くの価値を引き出すことができます。

これら3つの要素は、それぞれが独立しておりながらも相互に影響を及ぼし合うため、企業の売上を形成するにあたってバランスをとることが重要です。

売上を上げるための5原則

ここでは、売上を上げるための基本的な原則を解説します。この5原則はあらゆるビジネスの経営戦略の核となるものであり、適切に実施することで、売上の大幅な改善を実現することが可能になります。

①新規顧客を獲得する

売上拡大を目指すには、前述した売上の3つ構成要素、すなわち顧客数、成約率、そして顧客単価をバランス良く向上させることが求められます。そのうち、最も基本的なのが「顧客数の増加」です。この点において、新規顧客の獲得はとても重要です。

例えば、既存顧客数と等しい数の新規顧客を獲得した場合、理論的には売上が2倍になる可能性があります。しかし、新規顧客を獲得することは、単に数を増やすこと以上の価値があります。新規顧客の獲得により、新たな市場に挑戦し、自社の製品・サービスの新しい価値提案を検証する機会が得られます。さらに、新規顧客を通じて得られるフィードバックやデータは、ビジネスモデルの改善やイノベーションにもつながるでしょう。

新規顧客の獲得にあたっては、新規顧客獲得に関わるコスト(CAC: Customer Acquisition Cost)と、その顧客から得られる収益(LTV: Lifetime Value)のバランスを正確に理解することが重要です。新規顧客獲得の投資が、長期的に見て貴社の利益を最大化するかどうかは、戦略的な計画と分析によって決まります。

そのため、新規顧客獲得は、一過性のキャンペーンや単発の取引にとどまらないようにしましょう。顧客エンゲージメントを深め、顧客が長期にわたって自社の製品やサービスを利用し続けるような体験を提供することが、真の売上拡大へとつながります。

②既存顧客の流出を防ぐ

新規顧客の獲得と同様に、またそれ以上に重要なのが「既存顧客の流出を防ぐ」ことです。顧客数の維持・増加は売上向上に直結するため、顧客維持はビジネスの持続可能性を保証する上で不可欠な戦略です。

集客活動におけるよくある誤りは、新規顧客の獲得に集中し過ぎて既存顧客のケアをおろそかにすることです。例えば、新規顧客を500人獲得できたとしても、同時に既存顧客500人が流出してしまえば、結果として顧客数に変化はなく、売上増加にもつながりません。

つまり、売上アップに向けた集客戦略は「新規顧客の獲得」と「既存顧客の維持」の両方をバランス良く組み合わせる必要があります。既存顧客の維持には、定期的なコミュニケーション、カスタマイズされたオファー、優れたアフターサービスが有効です。また、顧客の声に耳を傾け、フィードバックを製品やサービスの改善に活かすことで、顧客の満足度を高めることができます。

既存顧客の維持は新規顧客の獲得よりもコスト効率が良いとされています。既存顧客からの収益は一般的には予測可能で安定しているため、長期的なビジネス戦略としては顧客維持がメインとなるでしょう。

③既存顧客のリピート購入を増やす

売上を増加させるためには、既存顧客からのリピート購入数を増やすことも重要です。リピート顧客は安定した収益源となり、新規顧客獲得にかかる費用と労力を削減することができます。

例えば、ある企業に月に1回のサービス契約をしている顧客がいるとしましょう。その顧客が月に1回ではなく、2週間に1回サービスを利用するようになれば、月間売上は理論的には2倍になります。これは、顧客との関係性を深め、ビジネスの予測可能性を高めることにも繋がります。

特にBtoB企業においては、顧客数の増加は常に重要ですが、既存顧客のビジネス価値を最大化することがより重要になります。リピート購入の促進には、継続的な関係構築、顧客のビジネスニーズへの深い理解、カスタマイズされたソリューションの提供が欠かせません。

既存顧客のリピート購入を促進するためには、契約の更新を容易にする、定期的なビジネスレビューを行うなどの戦略が有効です。また、顧客が直面する課題を解決する新たな提案を定期的に行い、彼らのビジネス成長をサポートすることで、パートナーシップを強化し、リピート数を増やすことができます。

既存顧客からのリピートビジネスは、BtoB企業にとって非常に価値が高く、新規顧客獲得のためのマーケティング活動とは別に、顧客維持とリピートビジネス増加に特化した戦略を立案し実行することが売上の持続的な成長には不可欠です。

④顧客単価を向上させる

前述した通り、売上を上げるためには、顧客数、成約率、そして顧客単価の3つの指標を同時に高める必要があります。特に、「顧客単価を増やす」ことは売上向上において重要な戦略です。

もし顧客数が変わらなくても、顧客単価が倍増すれば、売上も同様に倍増するわけです。この原理を理解し活用することは、BtoBビジネスにおける経営戦略において中心的な要素です。

この戦略には、「クロスセル」と「アップセル」の2つの考え方があります。

クロスセルによる顧客単価の増加

クロスセルは、既存顧客に追加商品やサービスを購入してもらうことによって顧客単価を高める戦略です。この手法は、顧客が既に信頼している関係を活かし、関連する製品を提案することで実現できます。

例えば、自社が提供するクラウドサービスに加え、セキュリティサービスのパッケージを提案することは、クロスセルの一例です。もし顧客が基本パッケージに加えて追加サービスも購入すれば、その顧客からの収益は大幅に増加します。

さらに、クロスセルは顧客に対してメリットを提供することで、顧客満足度を高め、結果的に顧客ロイヤルティの向上にも寄与します。

アップセルによる顧客単価の増加

アップセルは、より高価で機能的な製品やサービスへのアップグレードを促すことで顧客単価を上げる手法です。これは顧客のニーズに合わせた上位製品の提供を通じて実現されます。

例えば、ある企業が基本的なメンテナンス契約を利用している場合、より包括的なサポートを提供するプレミアムサービスへのアップグレードを提案することで、顧客単価を増加させることができます。

アップセルの成功は、顧客が本当に価値を感じる製品やサービスの提案にかかっています。この戦略には、顧客に対する深い理解と、そのニーズを満たすための製品開発が重要です。

⑤商品単価を見直す

売上増加の基本原則に立ち返り、商品単価の見直しによる戦略を再検討しましょう。

売上を上げるためには、単に単価の高い商品を販売するだけではなく、時には価格を下げて販売数量を増やす戦略も効果的です。

例えば、1,000円で販売している商品があるとします。この商品を1個売るのではなく、価格を700円に下げることで2個販売すると、売上は400円増加するという単純な計算になります。

しかし、もし1,000円の商品がよく売れている場合は、1,200円に価格を上げるという戦略も考えられます。価格弾力性が低い商品や、ブランド価値が高い商品の場合、お客様は値上げを受け入れる可能性があります。

重要なのは、現行の販売単価が実際に最大の売上をもたらしているかを分析することです。これには、市場調査、顧客の価格感度の評価、競合との比較が含まれます。最適な価格設定は、販売量と利益率のバランスを考慮した上で行うべきです。

ただし、価格設定には注意が必要です。一般に、値上げは顧客にネガティブな印象を与える傾向があります。もしこれを行う場合は、原材料費の増加やインフレなど、価格上昇の正当な理由を明確に顧客に伝えることが重要です。

また、値上げを行う際には、顧客への価値提供も同時に見直し、高い価格に見合う付加価値を提供することで、顧客満足度を保持し、売上減少のリスクを最小限に抑えるべきです。価格戦略はデリケートなものであり、顧客との長期的な関係を損なわないよう慎重な計画と実行が求められます。

売上を上げるために考えるプロセス

前のセクションでは、売上を上げる5原則を説明しました。この原則を生かしてどのように売上を上げていくか考えるプロセスが重要です。次に、売上を上げるための施策を考える際にやるべきことについて解説します。

現状のデータを把握する

売上を上げるためには、まずはデータの収集と分析が第一歩です。ここでは、適切なデータの収集が極めて重要になります。

データは、できるだけ細かい頻度で、かつ具体的に項目を定めて収集することが必要です。最初は月次単位でアクセスしやすいデータから着手し、その後、収集する頻度や分析の深さを段階的に拡張していくのが良いでしょう。

売上データ、顧客獲得コスト、顧客生涯価値、リードの質、営業サイクルの長さなど、様々なデータポイントがあります。しかし、業種や人員体制によっては、データ収集が難しいことがあるかもしれません。その場合は、代理指標となるデータを用いて間接的に情報を得ることが可能です。例えば、直接の売上データが得られない場合は、ウェブサイトのトラフィックや、特定のキャンペーンへのレスポンス率などから推測することができます。

これらのデータを正確に把握することで、ビジネスの健全性を評価し、改善の余地を発見できます。データは、ビジネスが直面している課題だけでなく、潜在的な機会を明らかにするのにも役立ちます。

ボトルネックを発見する

データ収集を通じて自社の現状を明らかにしたら、次に考えるべきは売上を抑制している障害、つまり「売上のボトルネック」を特定することです。

ボトルネックは、ビジネスプロセスのあらゆる段階で発生する可能性があります。例えば以下のようなものがあります。

  • 新規顧客の獲得が困難である
  • 既存顧客のリピート購入率が低い
  • 見込み客からの成約率が不十分である
  • 平均的な顧客単価が市場のポテンシャルに比べて低い

これらのボトルネックを明らかにすることで、売上を増加させるための具体的な改善策を講じることが可能になります。

ただし、業種や市場の状況によっては、一見すると数値が低くても、その業界の平均や特性を考えると妥当な場合もあります。これは、根本的な問題ではなく、業界の特性に起因するボトルネックの可能性があります。

重要なのは、自社の業態や市場環境を熟慮し、実際に改善可能な領域を見極めることです。例えば、顧客獲得コストを削減するためのマーケティングの最適化、顧客エンゲージメントを高めるためのカスタマーサービスプログラムの導入などが挙げられます。

改善計画を立てる

持続的に売上を上げていくためには、現状維持を超えた取り組みが必要です。これには、改善計画の立案と実行が重要です。

「以前にある戦略を試したが効果がなかった」という経験は、多くの企業が共感するでしょう。しばしば、このような失敗の背景には、十分な現状の分析とボトルネックの特定を怠っていたという共通点が見受けられます。

例を挙げると、新規顧客の獲得は十分でも売上が伸び悩んでいる状況で、更なる集客を狙った宣伝活動に投資しても、期待した成果は得られない可能性があります。この場合、実際の問題点は集客そのものではなく、おそらくは顧客の購買体験、製品価値の伝達、あるいはアフターサービスにあるかもしれません。

売上増加を目指す施策を立案する際には、細かい現状分析とボトルネックの特定が極めて重要になります。これにより、リソースを最も必要とする領域に集中的に投資することができ、効率的かつ効果的な改善を図ることが可能です。

計画を立てた後は、定期的なモニタリングとレビューを行い、必要に応じて柔軟な調整を加えましょう。これにより、計画の効果を最大化し、継続的なビジネス成長を実現する土台を築くことができます。

売上を上げるための具体的な施策8選

前章では施策を検討する際に考えるべきことについて説明しました。次に、施策を考える際のヒントとしてBtoB企業向けの具体例を8つご紹介します。

アカウントベースドマーケティング(ABM)

アカウントベースドマーケティング(ABM)は、見込み顧客となる特定のターゲット企業に焦点を当て、そのターゲットにカスタマイズしたマーケティング活動を展開する戦略です。

例えば、エンタープライズソフトウェアを提供する企業が、大手製薬企業の特定のニーズに合わせてカスタマイズしたウェビナーやホワイトペーパーを提供することで、より深い関係を築き、売上を高めることが可能です。

ABMを導入する際のステップは以下のとおりです。

  • ターゲット企業を特定する
    サービスを提供する理想的な顧客企業を明確に定義します。データ分析、市場調査、既存の顧客データなどを用いて、最も価値のある見込み顧客を選び出すことが重要です。
  • カスタマイズしたコンテンツを作成する
    ターゲットに合わせてカスタマイズしたマーケティングコンテンツを作成します。具体的には、ターゲット企業の業界、企業文化、特定のビジネスニーズに基づいたウェビナー、ホワイトペーパー、ケーススタディなどがあります。
  • マーケティングと営業との連携を強化する
    マーケティング部門と営業部門が密接に協力して、ターゲット企業に一貫したメッセージを届けます。これにより、企業はターゲットに対して効果的にアプローチし、関係を築くことができます。

ABMは、マーケティング資源を最も価値の高い見込み顧客に集中させるため、効率的な売上向上が期待できます。

バリューベースの価格設定

価格を製品やサービスの提供する価値に基づいて設定することで、顧客が高品質のサービスに対して適正価格を支払う意思を持つことが見込まれます。

例えば、コンサルティングサービスを提供する企業が、クライアントの収益向上に直結するような高度な分析サービスに対して価格を設定することが挙げられます。

価格をバリューベースで見直す際は、以下のステップで行います。

  • 製品・サービスの価値評価を行う
    提供する製品やサービスの真の価値を評価します。コストだけでなく、顧客に提供する利便性、効率性、効果などの価値を総合的に分析する必要があります。
  • 価格設定を構築する
    価値に基づいた価格設定を行うには、顧客が製品やサービスの価値を明確に理解できるような価格構造を作成します。価格設定は、顧客が価値を感じられるように設定する必要があります。
  • 顧客との信頼関係を構築する
    価格を通じて顧客との信頼関係を築きます。適正価格で高品質のサービスを提供することで、顧客の満足度を高め、長期的な顧客関係を構築します。

このアプローチは、顧客に対する製品の価値を明確に伝え、利益率を最大化できることがメリットです。

ロイヤリティプログラムの開発

ロイヤリティプログラムは、顧客のロイヤリティ(企業やサービスに対する愛着・忠誠心)を育成し、リピート購入を促進することで、売上増加に直結します。これは特に、高価値の取引が特徴的なBtoB市場において有効です。

例えば、ある工業機器メーカーは、定期的なメンテナンス契約を持つ顧客に対し、ポイントプログラムを提供しています。これにより、顧客はメンテナンスの度にポイントを獲得し、将来のサービスや製品の割引に利用できるようになります。

ロイヤリティプログラムを実施する際は、以下のステップで行います。

  • 顧客データを分析する
    プログラムを設計する前に、顧客データを分析して、顧客の購買パターンや好みを理解することが必要です。
  • 報酬を選定する
    顧客が価値を感じる報酬を選び、目に見える形で還元することが重要です。報酬は、サービスの割引、アップグレード、専用サポートなど、具体的かつ魅力的でなければなりません。
  • プログラムの宣伝と運用を実施する
    プログラムを成功させるには、その存在を顧客に知ってもらい、簡単に参加できるようにする必要があります。そして、プログラムの運用は継続的に監視し、改善を図っていく必要があります。

これらのステップと留意点に注意を払いながらロイヤリティプログラムを開発することで、顧客のロイヤリティを高め、継続的な売上の確保につなげることができます。

戦略的パートナーシップ

戦略的パートナーシップは、ビジョンを共有する他の企業や組織と協力することで、Win-Winとなる新たなビジネス機会を作り出します。このアプローチは、新規市場への進出、新製品の開発や技術革新などの目標を達成するために有効です。パートナーシップによって、リソースや専門知識を共有し、リスクを分散し、両者の強みを活かすことができます。

例えば、研究開発に強みを持つ大学と提携することで、先進的な技術や研究成果を商用化し、新しい市場セグメントに進出することが可能になります。大学が持つ研究能力と企業の市場へのアクセス能力を組み合わせることで、イノベーションを促進し、競争優位を築くことができます。

戦略的パートナーシップを実施する際は、以下のステップで行います。

  • 適切なパートナーを選定する
    共通の目標と価値観を持つ、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。
  • 共同目標を設定する
    明確な共同目標を設定し、各パートナーの責任範囲を決定します。
  • 契約と合意を明確化する
    成果物、知的財産の所有権、収益分配など、合意事項を正確に文書化し、法的な契約で固めます。

戦略的パートナーシップを慎重に計画し実行することで、新しい市場での成功への基盤を築くことができます。また、提携によるイノベーションは、長期的な競争力の源泉となります。

販売チャネルの多様化

販売チャネルの多様化は、製品やサービスを市場に提供する方法を広げることで、ビジネスのリーチを拡大します。オンラインプラットフォーム、小売店舗、代理店ネットワークなど、異なるチャネルを活用することで、顧客の購買行動や好みに合わせたアクセスポイントを設定し、売上の向上を図ります。

例えば、製造業者がECサイトを開設することで、消費者に直接製品を販売し、ブランドのオンライン上での認知度を強化することができます。また、地域や国際市場での代理店とのパートナーシップを構築することで、新たな顧客層にアプローチし、その地域の市場ニーズに合わせた製品を提供することが可能になります。

販売チャネルの多様化を実施する際には、以下のステップで行います。

  • 徹底的な市場調査を実施する
    さまざまな販売チャネルの可能性を探るために、市場のニーズと競争環境を理解するための徹底した市場調査を行います。
  • チャネル戦略を策定する
    各チャネルの特性を理解し、製品やサービスの価値提案に合わせた販売戦略を策定します。
  • 一貫した顧客体験を提供する
    異なるチャネル間でも一貫した顧客体験を提供するために、チャネル間での情報の連携を確保します。

販売チャネルの多様化により市場へのアクセスが拡大し、顧客基盤の拡大と売上の増加を実現できる可能性が高まります。特に、顧客がどのチャネルを使用しても一貫した品質とサービスを経験できるようにすることが重要です。

顧客教育プログラム

顧客教育プログラムは、顧客に対して製品やサービスを有効に利用することをサポートすることで、顧客満足度の向上に寄与します。このようなプログラムを通じて、顧客は製品の機能や可能性を完全に理解し、その結果としてより良い顧客体験と製品へのロイヤリティを築きます。

例えば、ソフトウェア開発企業がオンライントレーニングやワークショップを提供することで、顧客は製品の使い方を徹底的に学ぶことができ、製品の効果的な使用を通じてビジネス成果を最大化することが可能になります。

顧客教育プログラムを導入する際は、以下のステップで行います。

  • ニーズを特定する
    まずは、顧客がどのような情報やスキルを必要としているかを理解します。
  • 教育コンテンツを開発する
    顧客のニーズに応じた効果的な教育コンテンツを開発します。
  • プログラムの評価と改善を行う
    顧客のフィードバックを集め、教育プログラムの効果を定期的に評価し、必要に応じて改善を行います。

顧客教育プログラムにより顧客のロイヤリティが高まることで、リピート購入やチャーンの防止など、LTVを高めることが可能になります。

製品ラインの拡充

製品ラインの拡充により、企業は市場の多様なニーズに対応し、顧客基盤を拡大することができます。新しいバリエーションや機能を追加することで、既存の顧客に新鮮さを提供し、新規顧客を引きつけることが可能です。

例えば、電子部品のサプライヤーが最新技術に基づく製品ラインの拡張を行うことで、技術進歩を求める新しい市場セグメントの需要を捉え、売上の増加に繋げることができます。

製品ラインを拡充する際は、以下のステップで行います。

  • 市場トレンドを分析する
    最新の市場トレンドを把握し、将来の需要を予測します。
  • 製品開発計画を立てる
    目指す市場セグメントに合わせた製品開発計画を策定します。
  • 市場投入とフィードバックを収集する
    新製品を市場に投入し、顧客からのフィードバックを積極的に収集して、継続的な改善を行います。

製品ラインを増やすことはコスト増にもつながりますが、新製品が市場に受け入れられれば大きな売上向上を見込める施策です。

顧客満足度調査

顧客満足度調査を通じて、顧客の意見や感想を直接収集し、製品やサービスの改善に活かします。顧客が直面している問題を解決し、彼らのニーズを満たすために行う分析のための基礎データの一つとなります。

例えば、BtoBサービスプロバイダーが顧客満足度調査を実施し、その結果を基にサービスのカスタマイズや改善を行うことで、顧客の期待を超えるサービスを提供し、継続的なビジネスを促進します。

顧客満足度調査を実施する際は、以下のステップで行います。

  • 調査を設計する
    効果的な顧客満足度調査を設計し、顧客が真の意見を共有しやすいようにします。
  • データの分析と洞察を抽出する
    収集したデータを分析し、顧客のニーズや問題点に関する洞察を得ます。
  • アクションプランを実施する
    得られた洞察を基に、具体的なアクションプランを作成し、サービスや製品の改善を実施します。

顧客満足度調査単体ではすぐに売上増加につながるわけではありませんが、先に紹介した7つの施策を実施する際の元データとして使うことで、顧客のニーズを満たした施策が可能になります。

売上を上げるための施策実行に役立つツール5選

最後に、先程紹介した8つの具体的施策を実行する際に役立つツールをご紹介します。

統合CRMシステム

様々な顧客情報を一元化し、営業、マーケティング、カスタマーサービスの各チーム間でシームレスに情報共有を行うことができます。これにより、顧客とのやり取りを追跡し、個々の顧客に合わせてカスタマイズしたアプローチが可能になります。

マーケティングオートメーションツール

リード生成、顧客へのメールキャンペーン、データ分析といったマーケティング活動を自動化し、ターゲットに合わせたカスタマイズしたマーケティング戦略を展開するのに役立ちます。

コミュニケーションプラットフォーム

チーム間のコミュニケーションを強化し、プロジェクトの協力や情報共有を容易にします。内部だけでなく、外部ステークホルダーとのコミュニケーションにも使用されることがあります。

アナリティクスとデータ分析ソフトウェア

ウェブサイトの訪問者行動を分析し、マーケティングキャンペーンの効果を測定します。データ駆動型の意思決定を支援し、ROIを最大化するための戦略を導き出すのに役立ちます。

プロジェクト管理ツール

タスクの割り当て、進捗の追跡、デッドラインの管理など、プロジェクトの各側面を管理するのに使われます。チームの効率性と生産性を高めるのに貢献します。

まとめ

本記事では、売上を構成する3要素、売上を上げるための5原則、売上を上げるために考えるプロセス、具体的な施策8選、さらに施策実行に使えるツール5選を紹介しました。ぜひ本記事を参考に売上を上げる施策について考えてみてください。

最後に、クロス・オペレーショングループは、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化に向けたコンサルティングサービスを提供しています。自社のオペレーションを改善したい方や、オペレーションの構築に時間がなくて困っている方は、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

Operation事業部

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