業務効率

なぜ業務改善が必要なのか?メリットと改善に取り組む際の注意点を解説

2023.08.07

事業を運営する上で、業務に課題を感じている方は多いのではないでしょうか。

そもそも業務改善とは?

本記事を読んでいただけるということは、業務改善に取り組もうとしているのではないでしょうか?では、そもそも業務改善とは何をすることなのか?最近よく耳にする「DX」とはどう違うのか?について解説します。

業務改善とは?

業務改善とは、組織が行う業務プロセスの改善を指します。具体的には、業務プロセスの効率化や品質向上、コスト削減、顧客満足度の向上などが挙げられます。業務改善は、組織の生産性向上や競争力強化につながるため、多くの企業が重要視しています。

DXとの違いは?

業務改善と言うと、すぐにDXを連想する人が多いと思います。しかし、一見似ているようで明確な違いがありますので、違う点を理解し、状況に合わせた手段を取れるようにしましょう。

そもそもDXとは?

DX(デジタルトランスフォーメーション)は、デジタル技術を活用することで組織やビジネスモデルを変革することを指します。DXによって、従来の業務プロセスにおける人間の手作業を自動化し、よりスピーディーで正確な業務処理を実現することが可能になります。DXは、業務改善を含む一つの手段であり、組織のデジタル化による付加価値の向上を目的としています。

DXと業務改善の違いは?

業務改善とDXの違いは、改善対象の範囲や手段の違いにあります。業務改善は、従来の業務プロセスを分析し、改善点を見つけ出すことから始まります。改善点を洗い出した後、改善点に対応する具体的な改善策を立て、実行することで業務プロセスの改善を図ります。一方、DXは、従来の業務プロセスを完全に刷新し、デジタル技術を駆使して新しいビジネスモデルを構築することを目的としています。

例えば、従来の受注業務においては、顧客からの注文を受けた後、担当者が手動で注文書を作成し、商品を発送する業務プロセスが一般的でした。しかし、DXを活用することで、顧客からの注文を自動的に受け付け、自動的に注文書を作成し、自動的に商品を発送するシステムを構築することが可能になります。

つまり、業務改善は、既存の業務プロセスの改善に重点を置いているのに対し、DXは、デジタル技術を活用して新しいビジネスモデルを構築することに重点を置いています。

なぜ業務改善が必要なのか

なぜ業務改善が必要なのかについて、理由とメリットをそれぞれ7つずつ挙げて解説します。

業務改善が必要な7つの理由

では、なぜ業務を改善する必要があるのか、7つの理由を解説します。

1.業務のスピードアップ

従来の業務プロセスでは、手作業による処理が多く、そのために業務が遅れることがあります。しかし、業務改善によって自動化や標準化を進めることで、業務のスピードアップが可能になります。

2.品質の向上

業務プロセスの改善により、品質を向上させることができます。

例えば、品質管理においては、品質不良の原因を特定し改善策を講じることで、品質を向上させることができます。サービス業の場合は、業務改善により余裕が生まれたり、高品質な業務が標準化されることで品質の向上ができます。

3.コスト削減

業務プロセスの改善によって業務が効率化され、無駄な作業や手間を省くことで、コスト削減が可能になります。例えば、自動化によって人件費の削減や、不必要な在庫の削減などが挙げられます。

4.顧客満足度の向上

業務プロセスの改善によって、顧客満足度を向上させることができます。例えば、商品の品質向上や納期の短縮などが挙げられます。

5.情報の共有化

業務プロセスの改善によって、情報の共有化が容易になります。例えば、業務マニュアルの整備やシステム化によって、情報共有がスムーズになります。

6.人材の活用

業務プロセスの改善によって、従業員の作業負担が軽減され、生産性が向上することで、人材の活用ができるようになります。例えば、従業員が本来の業務に専念することができるようになります。

7.法的要件の遵守

業務プロセスの改善によって、法的要件に適合することができます。例えば、個人情報保護法や労働基準法など、法的要件に適合した業務プロセスを構築することで、法的トラブルを回避することができます。

業務改善を行うメリット7つ

次に、業務改善を行うことにより発生するメリットを7つ紹介します。状況や環境によってメリットは変わルので、どういう目的で業務を改善したいのか見つめ直してみてください。

1.生産性の向上

業務プロセスの改善によって、生産性が向上します。例えば、自動化によって生産性を向上させることができます。従来の手作業による処理から、コンピュータなどによる自動化に移行することで、生産性が向上することが期待できます。

2.品質の向上

業務プロセスの改善によって、品質を向上させることができます。例えば、品質管理においては、品質不良の原因を特定し、改善策を講じることで、品質を向上させることができます。品質の向上は、顧客満足度の向上にもつながります。

3.コスト削減

業務プロセスの改善によって、コスト削減が可能になります。例えば、自動化によって人件費の削減や、不必要な在庫の削減などが挙げられます。コスト削減は、企業の利益率を向上させることができます。

4.リスク低減

業務プロセスの改善によって、リスクを低減することができます。例えば、業務マニュアルの整備やシステム化によって、ヒューマンエラーを防止することができます。また、品質管理の強化によって、品質不良の発生を防止することができます。

5.顧客満足度の向上

業務プロセスの改善によって、顧客満足度を向上させることができます。例えば、商品の品質向上や納期の短縮などが挙げられます。顧客からのリピートや口コミでの広がりにつながり、企業の信頼度を高めることができます。

6.社員のモチベーション向上

業務プロセスの改善によって、社員のモチベーションを向上させることができます。例えば、自動化によって煩雑な業務から解放されることで、社員のやる気や生産性が向上することが期待できます。また、業務マニュアルやトレーニングの整備によって、社員のスキルアップや成長の機会を提供することができます。

7.競争力の強化

業務プロセスの改善によって、企業の競争力を強化することができます。例えば、コスト削減や品質向上によって、顧客に対してより競争力のある価格や品質を提供することができます。また、効率的な業務プロセスを構築することで、より迅速かつ正確な業務の実行が可能となり、顧客からの信頼度を高めることができます。

以上のように、業務改善には多くのメリットがあります。これらのメリットは、企業の成長や発展に不可欠なものであり、積極的な業務改善の取り組みが求められます。しかし、業務改善は一度実施したら終わりではなく、継続的な改善が必要です。今後も常に最新の技術やノウハウを取り入れ、業務プロセスの改善を進めていくことが、企業の競争力向上につながるでしょう。

業務改善の失敗例 4パターン

業務改善を推進する際に、以下のような失敗パターンが起こりえます。よくありがちな落とし穴ですので、陥らないように注意しましょう。

失敗パターン1 経営層の理解と支援不足

業務改善は、経営層からの強い支援やリソースの投入が必要です。しかし、経営層が業務改善の必要性を認識していない場合や、改善にかかるコストや時間を見積もれていない場合、業務改善の推進が難しくなることがあります。

失敗パターン2 社員の抵抗感や反発

業務改善は、社員の業務プロセスや作業方法の変更を伴うため、社員からの抵抗感や反発が生じることがあります。特に、長年の慣習に基づいた作業方法や業務プロセスが変更される場合、社員の不安や不満が高まることがあります。実際の業務を行う現場の社員が、したいと思えていない状況では、業務改善はうまく進みません。

失敗パターン3 情報システムの導入に伴うトラブル

業務改善には、情報システムの導入や改善も含まれることがあります。情報システムの導入に伴って、データ移行やシステム連携の問題、システムトラブルなどが発生することがあります。

失敗パターン4 目的と手段を混同してしまう

初めは目的のために業務改善の手段を考えると思いますが、気づいたら手段だったはずのものが目的で進んでしまうことがあります。目的を忘れてしまうと、時間も労力も無駄にしてしまう恐れが高まります。

例えば、フィールドセールスの部署において、「営業売上向上」を目的として業務改善しようとした時に、そのための手段として挙がった「訪問数の増加」に固執してしまったとします。その結果見込みの低い顧客に訪問する数が増え、受注率が下がってしまい、売上の向上に繋がらない恐れがあります。

よくあるもう一つの例は、業務効率の改善のためにツールを導入したが、ツールを使用するための業務プロセスや、作業の流れがうまく噛み合っていないにも関わらず、ツールを導入したことに対して満足してしまうパターンです。ツールを活用するためのオペレーションを整えないとかえって業務が複雑化してしまうこともあります。

業務改善を行う際の注意点4つ

上記のような失敗パターンに陥らないように、注意すべきポイントをご紹介します。

注意点1 経営層の理解と支援の確保

業務改善の推進には、経営層の理解と支援が必要不可欠です。経営層に業務改善の必要性を認識してもらうためには、改善に伴うメリットやROI(投資利益率)を明確に示し、具体的な事例や成功事例を共有することが有効です。

注意点2 社員の参加と意識改革

業務改善においては、社員の参加と意識改革が不可欠です。社員の声を聞きながら、改善のアイデアを出し合い、改善の成果を共有することで、業務改善に対する抵抗感や反発を減らすことができます。

注意点3 情報システムの導入に向けた準備とリスクマネジメント社員の参加と意識改革

情報システムの導入には、準備とリスクマネジメントが必要です。まず、情報システムの導入にあたっては、現行の業務プロセスを分析し、問題点や改善のポイントを明確にすることが大切です。その上で、情報システムの選定や設計、開発、導入を行うことで、業務の効率化や品質向上を図ることができます。

また、情報システムの導入に伴っては、トラブルが生じる可能性があります。そのため、導入前にリスクマネジメントを行い、トラブルに備えることが必要です。具体的には、導入前にテストを実施し、問題点や課題を洗い出すことが重要です。さらに、導入後にも、システムの運用状況を監視し、トラブルが生じた場合には迅速かつ適切に対応することが必要です。

注意点4 目的と手段をしっかり区別する

業務改善で最も重要なことは、目的を達成することです。そのために導入するツールを使用する人も、施策を実行する人も現場のスタッフです。目的を達成するために、現場のスタッフが動きやすい手段になっているか、スムーズにできる作業か、など常に注意して改善を進めましょう。

まとめ

以上のように、業務改善には多くのメリットがありますが、同時に陥りやすい失敗例や注意点も存在します。そのため、業務改善に取り組む際には、経営層の理解と支援の確保、社員の参加と意識改革、情報システムの導入に向けた準備とリスクマネジメントなど、様々な取り組みが求められます。これらの取り組みを行うことで、業務プロセスの改善や効率化、品質向上などの成果を得ることができます。企業の競争力を高めるためにも、業務改善に積極的に取り組むことが必要です。

最後に、クロス・オペレーショングループは、営業・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化を実現し、そのアウトプットを提供しています。自社のオペレーション改善・業務改善を推進したい方や、オペレーションの構築に時間がなくて困っている方は、ぜひご相談ください。

業務改善が必要な会社の特徴

業務改善が必要な会社には、以下のような特徴が挙げられます。

業務プロセスが複雑である:業務プロセスが複雑である場合、生産性が低下することがあります。業務プロセスが煩雑であるため、従業員が効率的に業務を行えない場合もあります。

ミスが多く発生している:業務プロセスに問題がある場合、従業員がミスをしやすくなることがあります。ミスが多発する場合、品質の低下や業務の停滞など、様々な問題が生じる可能性があります。

生産性が低い:業務プロセスが適切に設計されていない場合、業務の生産性が低下することがあります。従業員が重要な業務に時間を費やせないため、生産性が低下し、業務の遅れや品質の低下が生じる可能性があります。

時間やコストがかかる:業務プロセスが適切に設計されていない場合、時間やコストがかかることがあります。業務プロセスの改善に取り組むことで、無駄な時間やコストを削減することができます。

顧客満足度が低い:業務プロセスが不適切な場合、顧客満足度が低下することがあります。業務プロセスの改善に取り組むことで、顧客満足度を向上させることができます。

業務改善が必要な会社の特徴をもっと詳しく教えて

1.生産性が低下している:生産性が低下している場合、業務プロセスが効率的でない可能性があります。作業にかかる時間や手間が多く、従業員のストレスやミスが増え、結果として生産性が低下します。

2.ミスやトラブルが多い:業務プロセスに不備がある場合、ミスやトラブルが発生しやすくなります。このようなトラブルが継続的に発生する場合、業務プロセスの改善が必要です。

3.顧客満足度が低い:業務プロセスの改善が不十分である場合、製品やサービスの品質が低下し、顧客満足度が低下します。顧客からの苦情や不満が多い場合は、業務プロセスの改善が必要です。

4.フル活用していないITツールがある:ITツールの進化により、業務プロセスの改善に役立つツールが多数あります。しかし、それらを十分に活用していない場合、業務プロセスの効率化ができていない可能性があります。

5.成長に対応できない:業務プロセスが現状に合わない場合、拡大や変化に対応できなくなることがあります。そのため、業務プロセスの改善が必要です。

これらの特徴がある場合、業務プロセスの改善が必要であり、改善に向けた取り組みが必要となります。

この記事を書いた人

Operation事業部

工藤 夕茉

飲食業界で複数店舗の管理業務とオペレーション構築を経験した後、営業・CSの世界へと転身。複雑な業務や、人によって効率や成果に差が出る業務を見るとわくわくが止まらない。仕組み化やオペレーション化のスペシャリストになりたいと思いクロス・オペレーショングループに入社。ブラックボックス化したノウハウの言語化や可視化、マニュアル化を得意としている。カラオケが好き。

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