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ビジネスにおけるコンペとは?成功させるためのポイントも解説

最終更新日:2023.11.20作成日:2023.11.20

ビジネスにおけるコンペとは、複数の企業が特定のプロジェクトに対して提案を行い、最適な提案を採用するプロセスを意味します。より良いアイデアを模索するのに効果的な手法であり、コンペの流れやポイントを押さえることは、ビジネスを成功させるために重要です。

そこで本記事では、コンペの概要や成功させるためのポイント、RFP(提案依頼書)の作成方法について解説します。「コンペで競合他社に勝ちたい」「コンペを実施して良いアイデアを発見したい」という方は参考にしてください。

コンペとは?

コンペとは、コンペディション(Competition)の略語で、「競争」「優劣をつける」などの意味があります。複数の企業が同じプロジェクトに対して提案を行い、プロジェクトオーナーが自社にとって最適な提案を選ぶプロセスです。

コンペに参加する側は、複数の企業と比較されたうえで自社の提案を受け入れてもらう必要があります。プロジェクトオーナーに対して自社の魅力を伝えられるように、アピールの仕方を工夫しなければなりません。

コンペで勝つために試行錯誤を繰り返すことで、提案する側のスキルアップや取引先企業の拡大につながるなどの効果も期待できます。

コンペに適したプロジェクトの特徴

コンペに適したプロジェクトの特徴は、以下の通りです。

  • 複数のアイデアを比較検討したいプロジェクト
  • 予算やスケジュールに余裕があるプロジェクト

それぞれ詳しく解説します。

複数のアイデアを比較検討したいプロジェクト

複数のアイデアや解決策を比較検討したいプロジェクトでは、コンペを実施すると効果的です。異なる視点からさまざまな提案をしてもらうことで、課題解決に向けた最適解を見出せるでしょう。

複数の企業からの提案を受けることで、それまで気づかなかった新たな課題を発見できる可能性もあります。創造的な解決策を提供してもらうことで、プロジェクトの品質向上にもつながります。

予算やスケジュールに余裕があるプロジェクト

コンペを実施する際は、十分な予算と時間が必要です。予算やスケジュールに余裕があるプロジェクトでは、コンペを行うことでより効果的なアイデアが見つかる可能性があります。

時間的・金銭的に余裕がない状態でコンペを開催しても、提案者からの革新的なアプローチは期待できません。十分な余力がある状態でコンペを開催することで、プロジェクトが洗練されていくでしょう。

コンペで競合他社に勝つためのポイント

コンペに参加する企業は、競合他社に勝つためのポイントを押さえる必要があります。コンペで競合他社に勝つには、次の5つが重要です。

  • 依頼主のニーズに沿った提案をする
  • 魅力的なプレゼンテーションをする
  • 質疑応答の準備をする
  • コンペの順番は「1番目」を選ぶ
  • 話の進め方は全体像の確認から詳細な内容へ

一つひとつのポイントについて解説します。

依頼主のニーズに沿った提案をする

コンペに参加する際は、依頼主のニーズに沿った提案をするのが大前提です。依頼主のニーズと関係のない提案をすると、比較対象にすらならない可能性があります。

コンペに参加する企業は、プロジェクトオーナーからの提案依頼書をよく確認して、十分なヒアリングを行わなければなりません。プロジェクトオーナーが抱える本質的な課題を抽出すると、採用される可能性が高まるでしょう。

魅力的なプレゼンテーションをする

コンペで勝つには、競合他社よりも魅力的で印象に残るプレゼンテーションをすることが大切です。プロジェクトオーナーは複数の企業から提案を受けており、当たり障りのないプレゼンテーションでは印象に残りません。

プレゼンテーションのスタイルや資料のデザインにこだわることで、提案を受ける側に強く印象付けることができます。プレゼンテーション本番では、視覚的な要素に加えて、ストーリーテリングを駆使した話の組み立て方にも注意することが大切です。

質疑応答の準備をする

プレゼンテーションをする際は、プロジェクトオーナーからの質問に対して、適切に回答できる状態が望ましいです。質問されたときに答えに詰まったり、的外れな回答をすると「深く考えられていない」というマイナスイメージを持たれかねません。

プロジェクトオーナーへの提案の前には、質疑応答の準備をするのも重要なステップです。自社商品やサービスへの理解を深めたり、過去の事例を整理したり、ロープレをしたりすることで、本番でスムーズな対応ができるようになります。

コンペの順番は「1番目」を選ぶ

コンペの順番は、成功率に大きな影響を及ぼします。できる限り早い順番で提案すると、競合他社よりも優位な立場に立てるでしょう。

プロジェクトオーナーから提案順番の希望を聞かれた際は、1番目と応えるのが定石です。プロジェクトオーナーの熱量が高く、なおかつ競合他社の情報がない1番目を狙いましょう。

話の進め方は全体像の確認から詳細な内容へ

コンペの勝率を高めるためには、提案時のストーリーにも気を付けなければなりません。実際の提案の場では、最初にプロジェクトの全体像を共有してから詳細な提案内容へと話を進めると効果的です。

最初にプロジェクトの全体像を俯瞰することで、今回の提案がどのような成果をもたらすのかをイメージしやすくなるでしょう。細かい話ばかりで全体像が見えないと、本来の目的とズレてしまうリスクもあるため注意が必要です。

コンペで重要なRFP(提案依頼書)の作成方法

自社でコンペを実施する際は、RFP(提案依頼書)を作成することが重要です。RFP(提案依頼書)とは、解決したい課題をまとめて、複数の企業から解決策の提案を得るための書類です。ここからは、コンペの結果を左右するRFP(提案依頼書)について解説します。

RFP(提案依頼書)の重要性

RFP(提案依頼書)とは、コンペの中核をなす書類です。依頼主のニーズや課題などが記載されており、コンペ参加者はRFP(提案依頼書)をもとに提案資料を作成します。

コンペ参加企業から高品質な提案を受けるには、RFP(提案依頼書)の質にもこだわらなければなりません。誰が読んでも理解しやすく、認識のズレが生じないようなRFP(提案依頼書)を作成することが重要です。

RFP(提案依頼書)に記載する内容

RFP(提案依頼書)の主な記載内容は以下の通りです。

  • プロジェクトの背景と目的
  • プロジェクト期間とスケジュール
  • 予算の詳細
  • 依頼主のニーズや課題感
  • 提出書類や提案フォーマット
  • 評価基準と選考プロセス

これらの要素をRFP(提案依頼書)に含めることで、提案者に対して明確な指針を提供できます。依頼内容が明確になるほど、クリティカルな提案を引き出せるようになるでしょう。

RFP(提案依頼書)作成の流れ

RFP(提案依頼書)作成から選考までの流れは以下の通りです。

ステップ詳細
計画プロジェクトの目的やスケジュール、予算、課題などRFP(提案依頼書)の記載項目を洗い出す。
ドラフト作成項目ごとに詳細を記載して、RFP(提案依頼書)のドラフトを作成する。
レビュープロジェクト関係者やステークホルダーからRFP(提案依頼書)のレビューを受けて、不足部分や改善点を特定する。
最終化レビューをもとにRFP(提案依頼書)をブラッシュアップして、最終版を作成する。
配布最終版のRFP(提案依頼書)を提案者に配布し、提案の提出期限を周知する。
選考各社から提案を受けた後は、評価基準をもとにして最適な提案を選ぶ。

上記6ステップを踏むことで、コンペの精度が高まります。

まとめ:コンペを実施する際は事前準備が重要

コンペとは、複数の企業が同じプロジェクトに対して提案を行い、プロジェクトオーナーが最適な提案を選ぶプロセスです。異なるアイデアを比較検討することで、より良い解決策を見つけ出すために行われます。

コンペを成功させるためには、徹底した事前準備が欠かせません。プロジェクトを成功に導く提案ができるように、細かい部分まで配慮しながらコンペの準備を進めましょう。