インサイドセールス
インサイドセールスとは?営業(フィールドセールス)との違いやメリット・デメリット、導入のポイントなどを一挙ご紹介!
2023.08.07
インサイドセールスと営業(フィールドセールス)は、営業活動の手法やアプローチにおいて異なる特徴を持っています。本記事では、インサイドセールスの基本概念やそのメリット・デメリット、さらには営業(フィールドセールス)との違いについて詳しくご紹介します。現代のビジネス環境において重要なセールス手法であるインサイドセールスについて、ご理解いただくためにぜひご一読ください。
インサイドセールスとは
まずは、インサイドセールスの定義や業務、間違えやすいテレアポとの違いなどについてご紹介します。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、見込み顧客に直接足を運ぶことはせず、電話・メール・オンライン会議などの非対面によってコミュニケーションを取っていく営業スタイルのことです。
顧客先に行かず、社内に留まりつつアプローチをしていくことから内勤型営業とも呼ばれます。
インサイドセールスの種類
インサイドセールスは以下の2種類があります。
・SDR(Sales Development Representative)
SDRとは、反響型のインサイドセールスで、基本的には問い合わせのあった顧客への営業を実施していく役割です。対応する顧客は、既に問い合わせをしてきているためニーズが顕在化しており、購買意欲が高いという特徴があります。
・BDR(Business Development Representative)
BDRとは、こちらから能動的にアプローチしていくインサイドセールスです。そのため対応する顧客の中には、自社のことを認知していなかったり、購買意欲が低かったりする顧客もおり、SDRよりも顧客育成に時間がかかるという特徴があります。
インサイドセールスの業務
インサイドセールスは見込み顧客の育成が基本的な役割になります。
マーケティング部門が実施した展示会・セミナーなどで獲得した顧客情報を基に、様々な情報やコンテンツを提供することで、関係性を深めていきます。企業の中にはインサイドセールスが商談のクロージングまでを担当している場合がありますが、基本的にはニーズがある一定まで高まった時点でフィールドセールスにバトンを渡すことが多いでしょう。
テレアポとの違い
インサイドセールスの業務の中で重要な要素のひとつが電話による営業活動です。
一方テレアポとは、テレアポはインサイドセールスの営業手段のひとつです。テレアポがアポイントを獲得する、という単一の目的のための営業手段であるのに対し、インサイドセールスはテレアポも含めた様々な営業手段によって見込み顧客との関係値の構築や商談設定を目指します。
インサイドセールスのメリット
インサイドセールスのメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
・移動時間の短縮による業務効率化
フィールドセールスでは、営業担当者が顧客を訪問するために移動時間がかかります。一方、インサイドセールスではリモートでの営業活動が可能ですので、移動にかかる時間を大幅に短縮することができます。これにより、営業担当者はより多くの時間を顧客とのコミュニケーションやセールス活動に費やすことができ、業務効率が向上します。
・少人数でも成果を挙げられる
インサイドセールスは少人数のチームでも成果を上げることができるメリットがあります。オンラインや電話を通じたコミュニケーションによって、広範な顧客層にアプローチすることが可能です。顧客とのリレーションシップを築き、ニーズを理解し、効果的なセールス活動を展開することで、少人数のチームでも成果を挙げることができます。
・営業手法の分析やノウハウの共有につながる
インサイドセールスでは、オンラインツールやCRMシステムを活用して営業活動を行います。これにより、営業手法や顧客とのやり取りのデータを収集し分析することができます。データ分析に基づいた効果的なセールス戦略の策定や、チーム内でのノウハウの共有が可能となります。分析の結果、一部のトップセールスマンが持っているノウハウを他者に共有しやすくなり、組織全体の営業力向上につながるでしょう。
インサイドセールスのデメリット
一方で、インサイドセールスにもデメリットが存在します。
・顧客情報・営業情報の管理や、オンライン商談を行えるツールが必要になる
これまで、見込み客へのアポイントから訪問までをフィールドセールスが行う場合、顧客情報などに関しては1人の営業担当者が管理すれば十分でした。しかし、インサイドセールスを取り入れるとなると、見込み客の情報をチーム内で共有する手間がかかります。
その際、情報を一元化した上で、チーム内に共有できるようなシステムや仕組みを構築する必要があります。マーケティングからセールス部門に情報が共有されるための導線も考えなければいけません。
そのため、一般的には、オンライン商談システム・MAツール(マーケティングオートメーションツール)・SFAツール(セールス・フォース・オートメーションツール)・CRMツール(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)などの各種ツールが必要になります。
・扱う商品やクライアントとなる企業によって向き不向きがある
顧客側での決断が重くなる高額商品(車や不動産など)を扱う場合や、対面での営業が浸透している商品などについては、インサイドセールスが不向きとなる場合もあります。また、対面営業が根付く旧体質の企業・業界をメインの顧客ターゲットとしている場合は、習慣の違いによって、インサイドセールスそのものが受け入れられないケースもあるでしょう。
営業はケースバイケースです。顧客一人ひとりに合わせた営業手法を取るようにしましょう。
営業/フィールドセールスとは
次に、フィールドセールスについてご紹介します。
営業/フィールドセールスとは
営業(以後、フィールドセールス)とは、一般的なスタイルの営業の種類です。
外勤型営業とも呼ばれ、企業に足を運んで自社の紹介や製品・サービスの提案などを行います。
フィールドセールスの業務
フィールドセールスの業務は、直接見込み顧客先を訪問し、商談を実施することが中心ですが、自社のマーケティング機能やインサイドセールス機能の有無や強弱によって役割の範囲が異なります。
・マーケティング機能やインサイドセールス機能がある企業
フィールドセールスはすでにニーズが高まっている企業に対して商談を実施し、成約まで取り付けるクロージング業務がメインになります。
・マーケティング機能やインサイドセールス機能がない、もしくは弱い企業
新規企業への飛び込み訪問やテレアポなどを実施し、まだ自社のことを認識していない潜在顧客層の開拓も担当することになります。
フィールドセールスのメリット
フィールドセールスのスタイルを取るメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
・顧客のニーズを汲み取りながら柔軟に対応できる
フィールドセールスは先述の通り、顧客先に直接訪問して話をします。そのため顧客側の表情や態度、仕草などからニーズを読み取り、話の進め方や深度などを柔軟に調整することができます。
・商品やサービスについて細部まで説明できる
対面で説明を行えるということは、その時に様々な資料を見てもらいながら、商談を進めることができるということです。そのため商品やサービスについて細部まで理解してもらい、質問などにもその場で回答することができます。
フィールドセールスのデメリット
デメリットについても確認しておきましょう。
・移動コストが掛かる
フィールドセールスの最大のデメリットは移動コストが掛かる点です。フィールドセールスは顧客先へ訪問するので、移動のために時間も費用も掛かります。一社だけであれば、そこまで問題にはなりませんが、大抵は一日に数社行くことになるので、その分時間も費用もかさむことになるでしょう。
・一日にアプローチできる顧客数が少ない
また一日にアプローチできる顧客数が少ない点も挙げられます。フィールドセールスは商談の時間にプラスして移動時間もかかるわけですから、当然一日にアプローチできる顧客数には限りがあり、多くても4〜5社程度が限度になるでしょう。
フィールドセールスとインサイドセールスの使い分け
ここまででインサイドセールスとフィールドセールスについて簡単にご紹介しました。
続いて、2つの営業の種類を使い分ける際に参考にすべき点について解説します。
使い分けのポイント1:営業に携わることができる人数
1つ目のポイントは、営業に携わることができる人数です。
見込み顧客の数に対して、営業の人的リソースが豊富にあるのであれば、インサイドセールスを設置しなくても、全ての見込み顧客に対して十分なフォローを実施できます。
しかし、少人数の営業チームで多くの見込み顧客をカバーする場合は、インサイドセールスを設置して見込み度合いの低い顧客に対するアプローチは電話やオンラインデモなどを遠隔で実施することで広範囲な顧客に立直することができます。
使い分けのポイント2:顧客側のリテラシー
自社の製品・サービスジャンルに対しての顧客側の持つリテラシーの程度もポイントになります。
インターネットやデジタルツールに慣れ親しんでいる顧客は、ビジネスのニーズや製品・サービスに関する情報をオンラインで獲得しやすい傾向があります。そのため、インサイドセールスを活用することで、効率的かつ迅速に顧客とのコミュニケーションを図ることができます。
一方、顧客のデジタルリテラシーが低く、対面でのコミュニケーションや製品の実演が必要な場合は、フィールドセールスが適しています。特に大規模な企業や重要な取引先との商談では、直接顧客を訪問し、製品やサービスの特長を実際に見せることで信頼性を高めることができます。
インサイドセールスを導入する4ステップ
次にインサイドセールスを導入する方法について、4つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1:導入範囲の策定
まずはインサイドセールスが担当する範囲を策定します。ここでのポイントは「どのタイミングでフィールドセールスに渡すのか」という点です。
例えば、
・担当者名がわかった時点
・アポイントが決まった時点
・商談が決まった時点
企業によってインサイドセールスの範囲は異なるため、自社のフィールドセールスとのバランスを考慮して、導入範囲を決めていくと良いでしょう。
また、フィールドセールスの繁忙によって、インサイドセールスの担う範囲を柔軟に変更することで調整弁としても機能することができます。
ステップ2:KPIの設定
続いてインサイドセールスの活動を明確にするために、KPIを設定していくことになります。
KPIはステップ1で定めた導入範囲によって異なってきますが、大体において以下のようなKPIを設定することが多いでしょう。
・架電数
・アポイント獲得数
・商談設定数
・契約獲得数
ステップ3:シナリオ設計
続いて、インサイドセールスの対応すべきタスクを時系列に沿ってまとめたシナリオ設計を実施します。
見込み顧客の購買意思決定プロセスに応じて、具体的にどういったアプローチをするのかといった点を前後の文脈を踏まえた上で、設定していきます。
ここではAIDMAやAISASなどの購買プロセスのモデルを用いると分かりやすいでしょう。
ステップ4:実施と効果検証
ステップ3まで終えれば、後は実際にインサイドセールスの活動に取り組んでいくことになります。
取り組み開始後は、適宜KPIに対する実数を確認して、効果検証していくことが重要になるでしょう。また設計したシナリオも、実際の見込み顧客の反応などを取り入れながら、ブラッシュアップしていく対応も必要になってきます。
インサイドセールスを導入する時のポイント
最後に、まだインサイドセールスを導入していないという方向けに、導入する上で重要になるポイントをご紹介します。
ポイント1:明確に役割分担する
フィールドセールスとインサイドセールスで明確に役割を分担しましょう。役割分担には主に2つの軸があるので、以下を参考にしてみてください。
・プロセスによる役割分担
一つ目の役割分担として紹介するのはプロセスによるものです。前述したようにニーズの低い見込み顧客へのアプローチや育成をインサイドセールスが担い、案件化できるレベルまでニーズが高まった時点でフィールドセールスが担当するという形が多いでしょう。
・エリアによる役割分担
二つ目がエリアを軸とした役割分担です。インサイドセールスは移動時間や交通費などを節約できると前述しましたが、それをふまえて顧客のエリアによって担当を割り振るというのも一つでしょう。自社拠点から近いエリアであればフィールドセールスが担当し、遠いエリアに位置する顧客に対してのアプローチはインサイドセールスが担当するといった分担が可能です。
ポイント2:情報共有できる仕組みを構築する
フィールドセールス部門とインサイドセールス部門の情報共有を、円滑に行える仕組みを構築することも重要なポイントになります。
前述の役割分担において「プロセスによる分担」を導入する場合は、特に情報共有の精度が非常に大切です。インサイドセールスがこれまで見込み顧客とどのようなコミュニケーションを取り、どんなコンテンツを提供しているのかという情報は、フィールドセールスが商談をスムーズにクロージングする上で欠かせません。
これまでのプロセスの情報がきっちりと共有されていなければ、顧客がすでにインサイドセールスに話しているようなことをフィールドセールスが知らずに聞いてしまうというリスクがあります。もしそういったことが起きてしまうと、見込み顧客に不信感を抱かれてしまうきっかけになりかねません。そのため、これらの情報共有をきっちりと行える仕組みを構築することは必須なのです。
まとめ
本記事では、インサイドセールスとは何か、営業(フィールドセールス)との違いやメリット・デメリット、そして使い分けのポイントについて詳しくご紹介しました。インサイドセールスを導入することで、コストを下げながら成果を挙げることも可能になります。ぜひ、本記事を参考にして、自社に最適な営業スタイルを確立してください。
最後に、クロス・オペレーショングループは、営業(インサイドセールス含む)・カスタマーサクセス・カスタマーサポートのオペレーション構築・効率化を実現し、そのアウトプットを提供しています。自社のオペレーションを改善したい方や、オペレーションの構築に時間がなくて困っている方は、ぜひご相談ください。
この記事を書いた人
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