業務を効率的に進める上で、「マニュアル」と「手順書」という2つのドキュメントは欠かせない存在です。しかし、両者の違いが曖昧で、混同されることも多いのではないでしょうか。このセクションでは、マニュアルと手順書の定義や役割の違いについて詳しく解説します。
マニュアルと手順書の違い
マニュアルと手順書の定義と役割の違い
マニュアルと手順書は、どちらも業務や作業をサポートするためのドキュメントですが、その目的と内容には明確な違いがあります。
マニュアルとは
マニュアルは、業務全体のルールや知識を包括的に記載したドキュメントです。主に以下の役割を果たします。
- 業務ルールの伝達:会社の方針や業務における基本的なルールを明示する。
- 全体像の把握:業務の流れや関連部署との関係性を理解させる。
- 教育資料としての利用:新人社員や外部関係者に対し、業務の基本を伝えるための教材。
たとえば、マニュアルには「顧客情報の取り扱い方針」「商品発送の業務フロー」「法令遵守事項」など、業務における広範な内容が記載されています。
手順書とは
一方で、手順書は、具体的な作業手順を詳細に記載したドキュメントです。以下の役割を持っています:
- 作業手順の明示:業務内の各作業を、誰でも再現可能な形で説明する。
- 実務に直結するツール:現場での具体的なアクションにフォーカスする。
- 特定タスクの標準化:作業者によるバラつきを防ぎ、一定の品質を維持する。
例としては、「顧客情報をデータベースに登録する方法」や「商品を正確に梱包する手順」など、日々の業務に直結した具体的な作業内容が記載されています。
違いを整理すると
項目 | マニュアル | 手順書 |
目的 | 業務全体の理解・ルールの伝達 | 特定作業の手順を明確化する |
対象範囲 | 幅広く包括的 | 狭く具体的 |
内容例 | 業務フロー、法令遵守、基準、FAQ等 | 作業手順、必要ツール、注意点等 |
手順書が必要な理由
手順書を作成する意義は、具体的な作業を正確かつ効率的に進めるためにあります。特に以下の3つの理由から、手順書の重要性は非常に高いといえます。
1. 作業ミスの削減
手順書を用いることで、作業内容が標準化され、ミスを未然に防ぐことができます。具体的な手順が明示されていれば、「やり方が分からない」や「思い込みによる間違い」を防ぎ、業務の品質を安定させることが可能です。
2. 新人教育の効率化
新人社員に対して業務を教える際、手順書は非常に有効です。具体的な作業内容が詳細に書かれているため、新人でも手順書を見ながら作業を進めることができます。また、教育担当者の負担も軽減でき、早期戦力化につながります。
3. 属人化の防止
業務が特定の人に依存する状態(属人化)は、企業の大きなリスクとなります。手順書を用意することで、誰でも同じ手順で作業を進められるようになり、担当者の異動や退職時でも業務が滞ることを防ぎます。
マニュアルと手順書は、その目的や内容に違いがあるものの、どちらも業務を効率的に進めるために欠かせないドキュメントです。特に手順書は具体的な作業に特化しており、ミス削減や教育効率化、属人化防止など、多くのメリットをもたらします。
次のセクションでは、手順書を実際に作成する際に必要な準備やコツについて解説していきます。
手順書を作成する前の準備
手順書を効果的に作成するには、事前準備が重要です。この段階をおろそかにすると、目的や利用者に適さない手順書になってしまい、結果として業務効率の低下や作業ミスの原因になりかねません。ここでは、手順書を作成する前に行うべき準備を3つのポイントに分けて解説します。
手順書作成の目的を明確にする
手順書を作成する上で最初に考えるべきは、その目的です。目的が不明確だと、手順書の内容が散漫になり、利用者が活用しづらいものになってしまいます。
何のための手順書か?
以下のような具体的な目的を設定することが重要です。
- 新人教育のため:新人がスムーズに作業を覚えられるようにする。
- 作業の標準化:担当者による品質のバラつきを防ぎ、一定の成果を維持する。
- 業務効率化:無駄な作業を減らし、作業時間を短縮する。
ゴール設定の重要性
目的を明確にしたら、それを達成するためのゴールを設定します。ゴールを決めることで、どのような内容を盛り込むべきかが明確になり、手順書の完成イメージを描きやすくなります。
例
- ゴール:新人社員が一人で顧客データを入力できるようになる。
- 必要項目:入力画面の操作手順、使用するシステムの基本情報、注意点。
目的とゴールが明確になれば、手順書の方向性を定めやすく、無駄のない作成が可能です。
手順書の利用者を想定する
手順書を作る際は、誰がその手順書を使うのかを考慮する必要があります。利用者のスキルレベルや業務経験に応じて内容を調整することで、より実用的な手順書を作成できます。
初心者向けか、経験者向けか
- 初心者向け:作業経験が浅い利用者には、基本的な用語の説明や詳細な手順が必要です。たとえば、画面のスクリーンショットを多用し、「次にどのボタンを押すのか」を明確に示すといった工夫が有効です。
- 経験者向け:熟練者には、簡潔な手順の列挙や作業フロー図を中心に記載することで、効率的に活用できる内容にします。
ユーザーのスキルレベルに応じた内容調整
利用者のスキルレベルを理解した上で、以下のポイントを調整しましょう:
- 用語:初心者には簡易な表現、経験者には専門用語を活用。
- 詳細度:初心者向けには細部を詳述、経験者向けにはポイントのみ。
- 補足情報:初心者向けには「背景説明」や「失敗しやすいポイント」を記載。
例
- 初心者向け:「左上の『ファイル』ボタンをクリックします。」(スクリーンショット付き)
- 経験者向け:「ファイルを開く。」
ターゲットに適した記述スタイルを選ぶことで、手順書の有用性が格段に向上します。
必要な素材の収集
手順書の精度を高めるには、適切な素材を収集することが不可欠です。準備段階で素材を揃えておくことで、作成作業がスムーズになります。
作業写真・スクリーンショット
実際の作業を記録し、写真やスクリーンショットを活用すると、視覚的な理解が深まります。たとえば、システム操作を説明する際には、各操作画面を撮影して手順書に挿入します。
- 撮影の際は、画面上の不要な情報をカットし、見やすさを重視する。
- 注意点やポイントは、画像に矢印や囲みを付け加えると効果的です。
業務フローや参考資料
業務の全体像を説明するために、業務フロー図を作成します。
- フローチャートやプロセス図を利用して、作業の流れを簡潔に表現。
- 参考資料として関連するマニュアルや業務規定も活用します。
素材収集の段階でポイントや注意事項をメモしておくことで、手順書に反映しやすくなります。
手順書の事前準備として、目的の明確化、利用者の想定、素材の収集を行うことで、作成作業がスムーズになるだけでなく、実用性の高い手順書を完成させることができます。準備にしっかり時間をかけることが、手順書作成の成功への第一歩です。
続いて、手順書の具体的な構成やテンプレートの活用について解説します。
手順書作成の基本構成とテンプレート
手順書は誰が読んでも分かりやすく、作業をスムーズに進められるように作成する必要があります。
そのためには、手順書の基本構成を理解し、効率的に作成するためのテンプレートを活用することが重要です。このセクションでは、手順書に必要な基本項目とテンプレート活用の方法について解説します。
手順書に必要な基本項目
手順書は以下の基本項目を含むことで、明確かつ実用的なドキュメントとなります。
1. 作業名と目的
手順書の冒頭には、作業名とその目的を明記します。これにより、手順書がどのような作業を対象にしているのか、利用者が一目で理解できます。
- 作業名の例:「顧客情報を登録する」「製品を出荷する」
- 目的の例:「顧客情報の管理を効率化するため」「製品の出荷ミスを防ぐため」
目的を明確にすることで、利用者が作業の意義を理解しやすくなり、モチベーション向上にもつながります。
2. 必要な材料・ツール
作業に必要なものをリストアップします。この情報が不足していると、作業開始時に戸惑いや遅れが生じる可能性があります。
- 例(料理の場合):「卵、油、フライパン」
- 例(システム操作の場合):「システムのログインID、操作マニュアル、データシート」
材料やツールだけでなく、使用するアプリケーション名やそのバージョンも記載すると、より正確な作業が可能になります。
3. 手順詳細
手順書の核心部分です。具体的な作業内容を、誰でも同じ結果が出せるように詳細に記載します。
- 手順を番号付きで順序立てて記述する。
- 必要に応じて、画像や図解を挿入する。
- 「次に行う作業」「注意すべきポイント」を分かりやすく提示する。
例(料理の場合)
- 冷蔵庫から卵を2つ取り出します。
- フライパンに油を大さじ1杯入れ、中火で熱します。
- 卵をフライパンに割り入れ、3分間焼きます。
具体性があるほど、利用者が迷わず進められます。
4. 判断基準と注意事項
利用者が作業を適切に進めているか確認できる判断基準と、作業時の注意点を記載します。
- 判断基準の例:「ケーブルを正しく接続できていれば、デバイスのランプが緑色に点灯する。」
- 注意事項の例:「強火で調理しないこと」「必ずセキュリティソフトを起動してから操作を始めること」
これらを明確にすることで、作業の正確性と安全性を高めることができます。
手順書のテンプレート活用方法
効率的に手順書を作成するには、テンプレートを活用するのがおすすめです。テンプレートを使用することで、形式が統一され、見やすい手順書を短時間で作成できます。
Word・Excel・PowerPointテンプレートの利点
- Word: テキストベースの手順書に最適。セクション分けや画像挿入が簡単で、柔軟に編集可能。
- Excel: 表形式で手順を記載したい場合に便利。作業の順序やチェックリストを分かりやすく整理できます。
- PowerPoint: ビジュアル重視の手順書に適しており、フロー図や図解を簡単に作成できる。
テンプレート使用のメリット
- 時間を節約できる。
- ドキュメントの見た目が統一される。
- 初心者でもプロフェッショナルな手順書を作成できる。
サンプルテンプレートの紹介
以下は、手順書作成に役立つテンプレートの一例です。
- 書式の王様(Word・PDF)
- 無料で利用できる多種多様なテンプレートを提供。表紙から内容ページまで、プロ仕様のデザインが揃っています。
- 経費削減実行委員会(PowerPoint)
- 視覚的に分かりやすいテンプレートが多数。図解や写真を多用する手順書に最適。
- ビズルート(Excel)
- 業務効率化のためのテンプレートが充実。作業ごとの進捗管理にも活用可能。
- Google Docs テンプレートギャラリー
- クラウド上で編集可能なテンプレートを無料で利用可能。共同編集が必要な場合に便利。
テンプレートを利用する際は、自分の手順書の目的や対象に応じて適切なものを選びましょう。また、テンプレートに必要な情報を埋め込むだけでなく、自社の業務に合わせたカスタマイズを行うと、さらに実用性が向上します。
手順書の基本構成をしっかり押さえ、テンプレートを活用することで、効率よく分かりやすい手順書を作成できます。作業名や目的、具体的な手順、判断基準などの項目を揃えることで、利用者にとって実用的なドキュメントとなります。
分かりやすい手順書を作るコツ
手順書は内容が分かりやすければわかりやすいほど、利用者にとって価値が高まります。作業がスムーズに進み、ミスも減らすことができるでしょう。このセクションでは、分かりやすい手順書を作るための3つのコツについて解説します。
作業手順の具体化と簡潔な表現
分かりやすい手順書の基本は、作業手順を具体的かつ簡潔に表現することです。これにより、利用者が迷うことなく作業を進めることができます。
1. 実作業を細かく分解する
手順書を作成する際には、作業を細かく分解し、個別のタスクとして記述します。これにより、各ステップで「何をすべきか」が明確になります。
例
- 分解前:「顧客情報を入力する」
- 分解後:
- システムにログインする。
- メインメニューから「顧客情報管理」を選択する。
- 必要な項目を入力し、「保存」をクリックする。
ポイント:
作業の「工程」「単位作業」「要素作業」に分けて記述するのが効果的です。大まかな工程を細かい作業に分解することで、手順書の再現性が向上します。
2. 一文に一つの作業を記述する
手順書の文章は、できるだけ短く、簡潔に書きましょう。一文には1つの作業内容だけを記載すると、利用者が理解しやすくなります。
例
- 悪い例:「データベースにログインし、検索画面で名前を入力して検索結果を確認する。」
- 良い例:
- データベースにログインします。
- 検索画面を開きます。
- 名前を入力して、検索ボタンをクリックします。
- 検索結果を確認します。
箇条書きや番号付きリストを活用することで、視覚的にも分かりやすくなります。
ビジュアルの活用
手順書は文字だけではなく、視覚的な情報を盛り込むことで、利用者が内容をより直感的に理解できます。
1. 図解・フローチャートの利用
- 図解:作業フローやシステム構成を示す図解を利用すると、全体像を理解しやすくなります。
例:「商品の受注から出荷までの流れ」を矢印で示す。 - フローチャート:分岐のある作業を説明する際に有効です。「条件Aの場合は手順1へ進む。条件Bの場合は手順2へ進む」といった流れを明示できます。
例:「エラーが発生した場合の対応フロー」
作成ツールの例:
- Microsoft Visio
- Lucidchart
- Canva
2. 操作画面のスクリーンショットや動画
特にシステム操作手順の場合、スクリーンショットや操作動画を取り入れると、利用者が作業を具体的にイメージしやすくなります。
例
- 「ログイン画面のスクリーンショットを貼り付ける」
- 「クリックすべきボタンを赤枠で囲む」
動画の活用
動画を使用する場合は、簡潔に作成することが重要です。1ステップあたり30秒~1分程度に収め、利用者が途中で飽きないようにしましょう。
フォーマットの統一
手順書全体のフォーマットが統一されていると、読み手が情報を探しやすくなり、混乱を防ぐことができます。
1. 書式の統一
- フォントとサイズ:すべての見出しや本文に一貫したフォントとサイズを使用します。見出しには太字や色を使い、階層構造を明示します。
例:「H1は20pt、H2は18pt、本文は12pt」 - 箇条書きのスタイル:番号付きリスト、ハイフン、丸などを用途ごとに使い分けます。
2. デザインの一貫性
- 色使い:重要な箇所には赤、補足情報には青など、色を使い分けることで情報の優先度を視覚的に示します。
- 画像の配置:すべての画像を同じサイズ・位置に揃え、レイアウトが乱れないようにします。
例
- 良い例:すべての画像を右揃えで配置し、画像下にキャプションを付ける。
- 悪い例:ページごとに異なる画像サイズや配置。
3. テンプレートの利用
統一感を持たせるには、テンプレートを利用するのが最も簡単です。ExcelやWordのテンプレートをカスタマイズして使うことで、デザインに時間を割かずに済みます。
分かりやすい手順書を作るには、「作業手順の具体化」「ビジュアルの活用」「フォーマットの統一」が重要です。利用者が迷わずに作業を進められる手順書を目指し、これらのコツを取り入れましょう。
手順書作成の5ステップ
効果的な手順書を作成するには、段階的なプロセスに従うことが重要です。このセクションでは、手順書作成を成功させるための5つのステップを具体的に解説します。
ステップ1. 作成対象と目的の明確化
手順書作成の第一歩は、「何を」「なぜ」作るのかを明確にすることです。
1. 作成対象を明確にする
どの作業や業務を対象に手順書を作成するのかを決めます。この時点で対象範囲を明確にしておくと、内容が散漫になるのを防ぐことができます。
例
- 「商品の出荷手順」
- 「顧客情報の登録方法」
2. 作成の目的を設定する
目的を明確にすることで、手順書のゴールが見え、内容を的確に絞り込むことができます。
例
- 「作業の標準化を図り、ミスを減らす」
- 「新人教育を効率化する」
ポイント:ゴールが明確であれば、手順書に必要な項目を選びやすくなり、無駄を省けます。
ステップ2. 素材の収集と下準備
手順書の完成度を高めるには、事前の素材収集が欠かせません。
1. 実際に作業を行いながら素材を集める
- 作業中の写真やスクリーンショットを撮影する。
- 使用するツールや材料をリスト化する。
例
- システム操作の手順では、画面のスクリーンショットを撮影して補足説明に活用。
- 工程の流れをフローチャート化して全体像を示す。
2. 注意点やトラブル情報を記録する
作業中に発生しやすいミスや、エラーの対処方法も収集しておくと、手順書の信頼性が向上します。
例
- 「ケーブル接続が間違っている場合、デバイスが認識されないエラーが表示されます。」
ステップ3. 実作業に基づいた手順の記述
収集した素材を元に、具体的な手順を記述していきます。
1. 作業を分解して順序立てる
- 各作業を細かいステップに分解し、順番に番号を振ります。
- 作業の流れが自然になるように記述しましょう。
例
- システムを起動します。
- メインメニューから「新規登録」を選択します。
- 必要項目を入力し、「保存」をクリックします。
2. 簡潔かつ具体的な表現を心がける
- 一文には1つの作業だけを記述する。
- 必要に応じて、画像や図解を挿入して視覚的に補足する。
ポイント:読者が混乱しないよう、簡潔な言葉を選びます。
ステップ4. チェックと修正
手順書の完成度を高めるために、必ずチェックと修正を行いましょう。
1. 第三者による確認を依頼する
作成者本人では見落としがちなミスや分かりにくい部分を発見できます。
例
- 「指示が曖昧になっている箇所」
- 「手順が抜けている箇所」
2. 実際に手順書を試す
- 手順書に沿って作業を実施し、問題がないか確認します。
- 必要に応じて、記述内容や画像を修正します。
ポイント:利用者の視点で考え、不足や曖昧な点を改善することが重要です。
ステップ5. 公開と継続的な更新
手順書は作成したら終わりではありません。公開後も定期的な見直しが必要です。
1. 公開方法を決める
- 社内イントラネットや共有ドライブに保存し、誰でもアクセスできるようにします。
- 必要に応じて、印刷して配布することも検討します。
2. 継続的な更新を行う
業務の変更や新しいツールの導入により、手順書を定期的に見直す必要があります。
例
- システムのバージョンアップに伴う手順の変更
- 作業内容の変更による更新
ポイント:定期的にフィードバックを収集し、改善を続けることで、手順書の価値を維持します。
手順書作成の5ステップを順番に実行することで、実用性の高い手順書を作成できます。特に、チェックと修正、継続的な更新は、完成度と信頼性を高めるために欠かせません。続いて、手順書作成に役立つツールや外注の活用について解説します。
手順書作成に役立つおすすめツール
手順書作成を効率化し、質の高いドキュメントを作成するには、ツールの活用が欠かせません。このセクションでは、専用ツールと無料ツールを活用する方法について解説します。
手順書作成専用ツールの比較
専用ツールを使うと、手順書の作成プロセスが効率化され、より直感的で分かりやすい手順書を作成できます。ここでは、代表的な3つの専用ツールを紹介します。
1. Teachme Biz
Teachme Bizは、動画を活用した手順書作成に特化したクラウド型ツールです。
特徴
- 動画や画像を組み合わせて直感的な手順書を作成可能。
- 手順をステップごとに分かりやすく表示。
- スマホやタブレットでも利用でき、現場作業者にとって便利。
メリット
- 動画で操作を説明できるため、文字だけでは伝わりにくい内容も視覚的に伝えられる。
- クラウド型なので、更新や共有が簡単。
デメリット
- 動画作成に時間がかかる場合がある。
- 初期費用や月額料金が発生する。
2. NotePM
NotePMは、社内ドキュメント管理に特化したツールで、手順書の一元管理に適しています。
特徴
- Wiki形式で簡単に手順書を作成・編集可能。
- 社内全体で情報共有がスムーズ。
- ドキュメントの検索性が高い。
メリット
- 大量の手順書を一箇所で管理できる。
- 権限管理機能があるため、セキュリティも安心。
デメリット
- 一部の高度な機能は使いこなすのに慣れが必要。
- 初期設定に時間がかかる場合がある。
3. Dojo
Dojoは、自動操作記録機能を持つ手順書作成ツールで、特にシステム操作の手順書作成に適しています。
特徴
- アプリケーションの操作を自動記録し、手順書を自動生成。
- 動画やスクリーンショットを簡単に挿入可能。
- 作成した手順書をPDFやHTMLで出力可能。
メリット
- 操作を記録するだけで手順書が作れるため、時間を大幅に節約できる。
- ソフトウェア操作に特化しており、精度が高い。
デメリット
- 導入コストが高い場合がある。
- ソフトウェア操作以外の作業には不向き。
無料ツールでの手順書作成
専用ツールを使わなくても、無料ツールを活用すれば十分に実用的な手順書を作成できます。
1. Excel・Word・Google Docsの活用方法
これらのオフィスツールは、多くの人が使い慣れており、基本機能で手順書を作成するのに適しています。
- Excel
- 表形式で手順を整理しやすい。
- ステップごとにチェックボックスを追加して、進捗管理をサポート。
- 例:タスクごとに「手順」「注意点」「所要時間」を表形式で記載。
- Word
- 段落や見出しを使って構成を整理しやすい。
- スクリーンショットや画像を挿入して、見やすいレイアウトを作成可能。
- 例:「目次」「手順」「補足情報」の章立てを利用して、読みやすい文書を作成。
- Google Docs
- 複数人で同時編集が可能。
- クラウド上で保存・共有できるため、手順書の更新が簡単。
- 例:社内プロジェクトで手順書をリアルタイムに共同編集。
2. 図解やフロー作成に便利な無料ソフト
図解やフローチャートを手順書に加えると、視覚的に分かりやすい手順書が作れます。以下の無料ツールを活用すると効果的です。
- Lucidchart
- 簡単にフローチャートを作成できるオンラインツール。
- Google Driveと連携して共同編集も可能。
- Draw.io
- 無料で使えるフローチャート作成ツール。
- 操作がシンプルで初心者でも使いやすい。
- Canva
- 図解やイラストを作成するのに適したデザインツール。
- テンプレートを活用して、視覚的に優れた手順書を作成可能。
手順書作成専用ツールは、効率的で高度な機能を備えており、業務の規模や内容に応じて導入を検討すると良いでしょう。一方、無料ツールでも十分な手順書を作成することが可能です。自社のニーズや予算に合ったツールを選び、実用的な手順書を作成してみてください。続いて、完成した手順書を公開し、維持管理する際のポイントについて解説します。
手順書作成を外注する選択肢
手順書を自社内で作成するのが難しい場合、専門の外部業者に作成を依頼するという選択肢があります。特にリソースが不足している場合や、高品質な手順書が求められる場合には、外注を検討する価値があります。このセクションでは、外注するメリットと外注先を選ぶ際の注意点について解説します。
外注するメリット
外注を利用することで、手順書作成に伴う負担を軽減し、プロのスキルを活用して質の高いドキュメントを得ることが可能です。
1. 時間と労力の削減
自社で手順書を作成するには、詳細な作業手順の洗い出しや文章作成、デザイン作業など、多くの時間と労力が必要です。
外注することで、次のようなメリットがあります:
- 担当者の負担を軽減できる。
- 他の業務に集中できる環境を整えられる。
- 短期間で手順書を完成させることが可能。
例
- システム導入時の操作手順書作成を外注し、社内リソースを運用開始準備に集中させたケース。
2. 高品質な手順書の作成
外注先の専門知識や経験を活用することで、自社では作成できないような高品質な手順書を得ることができます。
具体的なメリット
- 分かりやすい文章とデザイン:読み手に配慮した文章構成やビジュアル要素を取り入れた手順書を提供。
- 最新ツールの活用:専門業者は専用ソフトやテンプレートを使用して効率よく作業を進めるため、仕上がりがプロフェッショナル。
例
- 工場のオペレーションマニュアルを専門業者に依頼し、作業効率が向上した企業事例。
外注先の選び方と注意点
外注を成功させるには、適切な業者を選ぶことが重要です。ここでは、外注先を選ぶ際に考慮すべきポイントと注意点を紹介します。
1. 専門会社に依頼する際のポイント
(1)業者の専門性を確認
手順書の内容や目的に応じて、適切な専門知識を持つ業者を選びます。
- IT関連手順書ならシステム操作に詳しい業者を選定。
- 製造業関連なら、製造プロセスの知識がある業者が最適。
(2)実績やサンプルをチェック
依頼先が過去に作成した手順書の実績やサンプルを見ることで、仕上がりのイメージを確認できます。
(3)納期とコストのバランスを検討
- 納期:プロジェクトのスケジュールに間に合うか確認する。
- コスト:料金が予算に見合っているかを見極める。
(4)サポート体制の確認
作成後の修正対応や、手順書の更新サービスを提供しているかを事前に確認します。
2. 外注時の注意点
(1)要件を明確にする
手順書に盛り込みたい情報や、ゴールを詳細に伝えます。要件が曖昧だと、完成品が期待外れになる可能性があります。
例
- 「対象読者は業務未経験者」「作業フロー図を含む」など、具体的な要望を伝える。
(2)情報共有の機密性に配慮
手順書作成には、業務に関する詳細な情報を共有する必要があります。その際、情報漏えいを防ぐために契約内容やセキュリティ対策を確認してください。
例
- NDA(秘密保持契約)の締結。
(3)コスト管理を徹底
初期見積もり以上の追加費用が発生しないよう、費用面の条件を事前に明確にします。
例
- 修正回数や範囲が明記された契約書を用意。
手順書作成を外注することで、時間や労力を節約しながら、高品質なドキュメントを得ることが可能です。外注を成功させるためには、業者の専門性や実績を確認し、要件や予算について明確にしておくことが大切です。自社リソースが不足している場合や、クオリティ重視のプロジェクトでは、外注の活用をぜひ検討してみてください。
まとめ
手順書作成は、明確な目的と対象読者を意識し、簡潔な表現を用いることが成功の鍵です。そして、作成後も継続的に改善を行い、常に利用者にとって分かりやすく役立つ内容を維持することが重要です。
手順書の質を向上させる努力を続けることで、業務効率化やミス防止といった効果をさらに高めることができます。
手順書作成のプロセスを活用し、業務のスムーズな運営を実現してください。
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