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コンサルティングファームの費用相場は?成功に導くためのコンサルティングファームの選び方3つのポイントも紹介!

最終更新日:2024.10.16作成日:2023.06.29

自社の課題解決のためにコンサルティングファームに依頼したいと思っている方は多いのではないでしょうか。しかし、コンサルティングファームに依頼する際に気になるのが費用。この記事では、コンサルティング費用の算出方法から費用相場、費用を踏まえた上で自社に合ったコンサルティングファームの選び方のポイントまでご紹介します。

コンサルティングとは?

費用相場を確認する前に、そもそもコンサルティングの定義を抑えましょう。コンサルティングとは、特定の分野における豊富な経験と深い知識をもとに、クライアントの課題を解決するための解決策を示し、施策の立案や実行などを担う業務のことを示します。

英語で「consult」とは「相談する、意見を聞く」という意味です。語源はラテン語の「consulere(相談する)」といわれています。

また、クライアントの相談に乗る人を「コンサルタント」と言います。

コンサルティングファームとは?

コンサルティングファームとは、企業や組織に対して専門的なアドバイスを提供するサービス業の一つです。彼らの主な目的は、クライアントの経営課題を解決し、ビジネスの成長と効率化を支援することにあります。コンサルティングサービスの範囲は広く、戦略立案、業務改善、人材育成、IT導入、リスク管理など、多岐にわたります。

コンサルティングファームはその規模によって大手と中小に分かれることが多いですが、どのファームも深い専門知識と広い視野を持ち、クライアントの要望に応じたカスタマイズされたソリューションを提供します。例えば、国際的な戦略を展開している企業には、グローバル市場での競争力を強化するための戦略が提案されることがあります。

また、コンサルティングファームは、単にアドバイスを提供するだけでなく、その実行支援まで行うことが求められることが多いです。実際の業務の改善プロセスに参加することで、理論だけでなく実践を通じてクライアント企業の成長を後押しします。

コンサルティングファームの仕事内容

コンサルティングファームの仕事内容は多岐にわたりますが、主に以下のような業務を行います。

1. 戦略立案と実行支援

コンサルティングファームはクライアント企業が直面している市場環境や競争状況を深く理解し、その上で実行可能なビジネス戦略を策定します。具体的には、市場調査を実施してデータを収集し、そのデータを基に競合分析やSWOT分析(強み、弱み、機会、脅威の分析)を行います。この分析を通じて、クライアント企業のポジショニングを明確にし、成長機会を捉えるための戦略を設計します。さらに、戦略の実行段階では、目標達成のためのロードマップ作成やKPI(重要業績評価指標)の設定をサポートし、計画通りに進行しているか定期的にチェックすることで、戦略の成功を確実なものとします。

2. 業務改善

効率的な業務プロセスは企業の生産性向上に直結します。コンサルティングファームは、業務プロセスの詳細な流れを把握し、ボトルネックや無駄が生じている部分を特定します。改善提案には、リーンマネジメントの手法を取り入れることで、プロセスをよりスリムで効率的なものにすることが含まれます。また、デジタル化の推進により、紙ベースの作業を電子化し、データの即時性と正確性を向上させることも一般的です。このプロセス改善は、コスト削減だけでなく、従業員の満足度向上や顧客サービスの質の向上にも寄与します。

3. 人材育成と組織開発

企業の最も重要な資源である人材の育成には、戦略的なアプローチが求められます。コンサルティングファームは、クライアント企業の文化やビジネス目標に合わせたカスタマイズされた研修プログラムを提案します。これには、リーダーシップトレーニング、コミュニケーションスキルの向上、専門技術の習得などが含まれます。さらに、組織の構造を見直し、より効果的なチームワークを促進する組織設計を支援することもあります。人材育成と組織開発の取り組みにより、従業員のモチベーションと企業のイノベーション能力が高まります。

4. リスク管理

ビジネスには様々なリスクが伴いますが、これを適切に管理することが企業の持続可能性を保つ鍵となります。コンサルティングファームは、財務リスク、運用リスク、市場リスク、法規制遵守リスクなど、企業活動における多様なリスクを特定し、それらを評価します。リスク評価に基づき、リスクを軽減または回避するための戦略を策定し、クライアント企業が安全かつ法令を遵守したビジネス運営ができるよう支援します。リスク管理のプロセスには、定期的な監視とレビューが含まれ、新たなリスクが発生した場合には迅速に対応できる体制を整えることも重要です。

5. ITコンサルティング

デジタルトランスフォーメーションは現代のビジネス環境において避けて通れない課題です。ITコンサルティングでは、最新の技術を活用して業務の効率化を図ります。これには、クラウドサービスへの移行支援、ビッグデータの活用、人工知能(AI)技術の導入などが含まれます。また、ITセキュリティの強化も重要な領域であり、データの保護とプライバシーの確保をサポートします。クライアント企業がテクノロジーを最大限に活用し、競争優位性を築けるよう戦略的なアドバイスを提供します。

コンサルティング費用の算出方法

まずは、コンサルティングにかかる費用の算出方法をご紹介します。費用の算出方法を知っておけばどの項目に費用がかかりそうか計算する目安になるため、事前の予算立てにも役立ちます。

①依頼する時間と期間

まず、依頼する時間と期間が費用に大きく影響します。自社に関与してもらう時間と期間が長くなれば長くなるほど、コストも大きくなります。期間には、コンサルタントとの面談や調査・分析の時間、提案書やレポートの作成にかかる期間などが影響します。例えば、同じ経営課題でも、アドバイスや戦略立てだけしてもらう場合と、施策の実行・効果測定・アフターフォロー・次回以降の戦略立てまでトータルで依頼する場合とでは、コストが大きく変わります。自社がどこまで内製化できるかも判断しながら、依頼するフェーズを選択し、必要な時間と期間を適切に見積もることが重要です。

②コンサルティングの単価

次に、コンサルティングの単価によっても費用は左右されます。コンサルタントの経験や専門知識、評価などに基づいて設定される単価が費用の一部となります。コンサルタントのスキルレベルが高い場合や、コンサルティングファーム自体のブランドが強固な場合は、依頼コストは高くなります。一方で、新進気鋭の若手コンサルタントや実績がまだ浅いコンサルタントであれば、比較的コストを抑えやすくなるでしょう。ただし、コストだけを重視することはおすすめしません。あくまでもパフォーマンスも重視しながらコストがより安いところを選び、期待通りの効果を得られるよう対策していきましょう。

③その他の料金

上記で説明した依頼時間やコンサルティング単価以外にかかる費用としては、システム開発費用・導入費用等が挙げられます。総合コンサルタントやITコンサルタントにコンサルティングを依頼する場合、会社の課題解決のためにシステムの導入が必要となる場合があります。その他のコンサルティングにおいても、昨今のペーパーレス化や働き方改革の促進に合わせ、何らかのシステム導入が最善策と判断されるケースがあるでしょう。

また、調査や分析に必要なデータ収集のための外部リソースやツールの費用、交通費や宿泊費、プレゼンテーションや研修の場所代などがかかる場合もあります。これらの費用も合算して予算を計画しましょう。

コンサルティング費用の相場

次に、一般的なコンサルティング費用の相場について見ていきましょう。コンサルティング費用は、契約スタイルや特化している分野により異なります。それぞれ細分化しながら紹介しますので、自社の利用目的と照らし合わせながら参考にしてみてください。

顧問契約(アドバイザリー契約)

顧問契約は、一定期間にわたってコンサルティングサービスを受ける契約形態です。月額や年額の固定料金が設定され、定期的なアドバイスや支援が提供されます。顧問契約の費用相場は、月1~2回の訪問・アドバイスで月額20~50万円程度です。顧問契約は「アドバイザリー契約」と呼ばれることもあり、特に経営コンサルティングに多く活用されています。役員会・経営会議・株主総会など会社の行く末を左右する会議に出席する機会も多く、中・長期的な観点で経営をサポートします。そのため、毎月決まった報酬を受け取る定額報酬型であることが一般的です。1年を超える長期契約を締結することも可能です。

時間契約・スポット

時間契約やスポット契約は、特定のプロジェクトや課題に対して限定的な時間のコンサルティングを受ける契約形態です。この場合、時間単位や日単位での料金が設定されます。時間契約・スポットコンサルの費用相場は、1時間あたりの下限が5,000円程度で、上限はなく、コンサルタントのスキルレベルによっては10万円程度になる場合もあります。時間契約・スポットコンサルは、その名の通り時間単位でコンサルティングを行う手法です。作業に当たった時間単位で計算されるため、時給払いのようなイメージをすると分かりやすいでしょう。実際には、実働時間を後で算出して請求するケースもあれば、事前に100時間と決めて作業を依頼するケースもあります。

成果報酬

成果報酬は、コンサルティングファームが顧客の目標達成や成果に対して報酬を受ける契約形態です。契約に基づいて設定された成果に応じた報酬が支払われます。そのため、費用相場は依頼内容により大きく異なり、「売上の〇%分」「新規登録顧客の人数×〇万円」など、事前に設定して契約します。成果が得られなかったからといって完全にコストがゼロになることはほとんどなく、大体どのコンサルタントも最低のフィー(手数料)だけは徴収することが多いようです。とはいえ、成功度や達成度合いによって報酬が決定するため、コストパフォーマンスには期待が持てます。

プロジェクト型契約

プロジェクト型契約は、特定のプロジェクトに対して一定の期間やスコープでコンサルティングサービスを提供する契約形態です。費用の相場は、特定のソフトウェアを導入するだけであれば月換算10~30万円程度、戦略立案から導入支援まで手掛ける場合は月換算50~100万円程度になることが一般的です。主にITコンサルタントで導入されていることの多い手法で、プロジェクトへの参画が終了すると、契約も終了します。効率的に業務を進めるため複数のコンサルタントがチームを組むこともあります。

職種特化

一部のコンサルティングファームでは、特定の職種に特化したコンサルティングサービスを提供しています。職種特化型コンサルティングの費用相場は、月3~10万円程度です。職種特化型コンサルティングは、経理・総務・人事・財務・法務などのバックオフィスや、営業・広報・マーケティングなど、仕事領域を限定してコンサルティングを行います。社会保険労務士・公認会計士・税理士など士業が多く参画するほか、成果を上げ続けてきた営業マン、キャリアアドバイザー、銀行による貸付審査部門出身のコンサルタントも多いです。

業種特化

同様に、一部のコンサルティングファームは特定の業種に特化したサービスを提供しています。例えば、金融、製造、小売などです。業種特化のコンサルティングファームでは、業界の特性やトレンドに精通したコンサルタントが活躍します。この場合も、専門知識と経験に基づいて相場が設定されます。業種特化型コンサルティングの費用相場は、業種ごとに異なります。飲食業であれば30~40%、製造業であれば10~40%程度が成功報酬として課されます。たとえば、住宅業界・不動産業・保険業界・飲食業界・学習塾業界・広告業界など、職種ではなく業種で限定していることが特徴だと言えるでしょう。その業界出身のコンサルタントが多く、業界人同士のコネクションを持っていることも少なくありません。

コンサルティングファームの規模別費用相場

次に、コンサルティング会社の規模別の費用相場を見ていきましょう。大手コンサルティング会社、小規模コンサルティング会社、独立系コンサルティング会社と3つ紹介します。

大手コンサルティング会社の費用相場

大手コンサルティング会社は、グローバルなネットワークや豊富なリソースを持ち、幅広い業界や専門分野に対応できる特徴があります。保有するコンサルタント数も多く、課題によっては社内の複数コンサルタントが参画し、それぞれの得意分野を持ち寄って解決にあたるケースもあります。その一方で、その規模やブランド価値によって高額な費用が設定されることがあります。プロジェクト型契約の場合、相場は年間1億円程度になる場合もあります。また、アドバイザリー契約の場合は月額100万円以上が相場です。時間契約・スポットコンサルはそもそも請け負っていないことが多いですが、対応している場合は1時間10万円以上は見積もっておく必要があるでしょう。

小規模なコンサルティング会社の費用相場

小規模コンサルティング会社は、独自の専門性や柔軟性を持ちながらも、大手会社に比べてコスト面で優位な場合があります。ほとんどの場合参画するコンサルタントは1名のみであることが一般的です。中にはフリーランスのコンサルタントもおり、自身の経験や知識に偏重する形式でコンサルティングが進行していきます。その分、同じコンサルタントに長く参画してもらえるメリットがあり、相性がよければ抜群の効果を発揮します。プロジェクト型契約の場合、相場は年間120~400万円程度です。アドバイザリー契約の場合は月額3~5万円、時間契約・スポットコンサルの場合は1時間1万5,000円~3万円程度が相場の目安です。小規模な会社でも品質の高いサービスやアドバイスを提供している場合が多いため、費用と品質のバランスを考慮して選ぶことが重要です。

独立系コンサルティング会社の費用相場

独立系コンサルティング会社は、個々のコンサルタントが独自の専門性や経験を持ちながら、自らのブランドで活動しています。中小企業のサポートを中心に行っているコンサルティング会社では日本の商習慣に詳しいことが多いです。特に業種に特化しているコンサルタントであれば、業界で当たり前となっている暗黙の了解や業界内での評判に関する情報も多数仕入れています。プロジェクト型契約の場合、費用相場は年間180~550万円程度です。アドバイザリー契約の場合は月額20~30万円程、時間契約・スポットコンサルの場合は1時間3万円~5万円程度です。コンサルティング会社によって得意分野が異なる可能性があるため、自社の業種や課題に合ったコンサルティング会社を選定しましょう。

業界別のコンサルティング費用相場

ここからは、業界別のコンサルティング費用を見ていきましょう。専門性が高い業界であれば費用も高額になりやすいものですが、利用の方法によっては費用を抑える事も可能です。まずは相場を知り、比較に役立てていきましょう。

ファイナンシャルコンサルティングの費用相場

ファイナンシャルコンサルティングは、企業や個人の財務状況や資金調達、投資戦略などに関するアドバイスを提供するサービスです。ファイナンシャルコンサルティングの場合、月30~60万円程度が費用相場です。会計分野に関する内容など専門知識を使うことが多く、資格職が重宝されやすい業界であるからこそ、相場は高めに設定されていると考えられます。担当するコンサルタントによっては、プラスで10~15万円程度かかる場合もあります。自社に足りない部分が何かを明確にし、スポット的に依頼することでコスト負担を軽減していくのがおすすめです。

人材コンサルティングの費用相場

人材コンサルティングは、企業の採用や人材開発、組織の人材戦略に関する支援を行うサービスです。人材コンサルティングの場合、月10~50万円程度が一般的な費用相場です。たとえば、新規人材採用時の戦略設定や媒体決めだけであれば、コストを抑えられるでしょう。一方で、実際の面接・選考への同席や、懇親会・入社式・社内研修の企画・立案まで任せる場合は、50万円以上になるケースもあります。実務ベースでの仕事を依頼するとより高額になりやすいことを覚え、内製化できる部分は自社で対応していくことがポイントです。

財務コンサルティングの費用相場

財務コンサルティングは、企業の財務戦略やリスク管理、資金調達などに関する支援を行うサービスです。財務コンサルティングの場合、月30~60万円程度が一般的な費用相場です。ファイナンシャル系コンサルティング同様、税理士など国家試験持ちのコンサルタントが重宝されやすいため、ベースが高めに設定されていることが多くなっています。また、業界特有の科目や決算期に対応できるコンサルタントであれば、プラスアルファの費用が発生することを理解しておきましょう。自社の財務が健全であれば社内外からの評価も高まりやすいため、未来への投資と捉えて依頼することをおすすめします。

経営コンサルティングの費用相場

経営コンサルタントは、企業の経営戦略や事業計画、業績改善などに関する支援を行うサービスです。経営コンサルタントの場合、月20~100万円程度と費用相場に幅があることが特徴です。役員会から株主総会まで幅広い会議出席が求められたり、経営方針決めだけでなく導入フローの構築まで手掛けたりする場合はコストが高くなるでしょう。一方で、役員や代表がビジネスパートナーとしてあらゆる出来事を話す相談役のようなポジションであれば、コストを抑えられます。中には経営方針が迷走しないよう、暴走防止を兼ねてコンサルタントを利用している会社も少なくありません。

戦略コンサルティングの費用相場

戦略コンサルティングは、企業の長期的なビジョンや市場戦略、競争力強化などに関する支援を行うサービスです。戦略コンサルティングの場合、月30~60万円程度が一般的な費用相場です。どのような戦略をイメージしているかにもよりますが、コンサルタントが得意とする分野の戦略であれば、コストは平均の範囲内に収まるでしょう。一方で、「何か自社の課題か分からない」「どんな手があるか1からすべて提案してほしい」など、コンサルタントに頼りきる範囲が広いほど高額になることが特徴です。基本的には、顧問契約型もしくは成功報酬型での提案になるでしょう。

ITコンサルタントの費用相場

ITコンサルタントは、企業の情報システム戦略やシステム導入、デジタルトランスフォーメーションなどに関する支援を行うサービスです。ITコンサルタントの場合、月40~60万円程度が一般的な費用相場です。ただし、開発会社やフリーランスエンジニアとの折衝まで依頼し、自社用のソフトウェア開発までサポートしてもらうのであれば料金相場は1.5~2倍程度に増加します。基本的には、プロジェクト型契約での提案が多くなっており、案件規模・参画人数・プロジェクト内容によって変動するため、気になる方は事前に複数のコンサルティング会社を比較してみましょう。

労務コンサルティングの費用相場

労務コンサルティングは、労働法や人事制度、労働環境などに関する支援を行うサービスです。労務コンサルティングの場合、月4~10万円程度が一般的な費用相場です。ほかのコンサルタントより安いように感じられますが、あくまでも労務コンサルタントのみの費用感であると理解しておきましょう。ほとんどの場合、労務コンサルタントは社会保険労務士など士業系事務所が担当します。年金事務所・健康保険協会・労働基準監督署への諸手続き代行や、より専門性の高い労働裁判・労使交渉を担当することも多く、実務を含めて依頼する場合は2倍程度かかると試算しておきましょう。

オペレーションコンサルティングの費用相場

オペレーションコンサルティングは、企業の業務プロセスや生産性改善、コスト削減などに関する支援を行うサービスです。オペレーションコンサルティングの費用相場は、プロジェクトの規模や内容、業界の特性によって異なります。一般的には月100万円〜200万円程度が相場とされています。オペレーションコンサルティングは企業の業務効率化や品質向上を目指す重要な取り組みであり、プロセス改善や効率化の専門知識を持ったコンサルタントの費用がかかることがあります。

コンサルティング費用が決まる仕組み

紹介したようにコンサルティング費用は、コンサルタントやコンサルティング会社により大きな価格差があります。ここでは、価格差が生まれる要因を詳しく見ていきましょう。

コンサルタントの報酬単価

コンサルタントの報酬単価は、コンサル費用に最も大きく影響します。このコンサルタントの報酬単価は経験・実績・スキルなどによって変動します。ここで注意したいのは、1時間あたりの報酬単価が安いコンサルタントを選べば、必ずしもトータルコストが安くなるわけではないこと。スキルの高いコンサルタントなら、少ない稼働時間で効果的なサポートを得られる場合があります。報酬単価や契約期間などを総合的に判断して、契約するコンサルタントを選びましょう。

コンサルティングの提供形態

1時間あたりの報酬単価が同じでも、コンサルタントとの契約形態が異なれば費用は大きく変わります。顧問契約型や成果報酬型の場合、中長期的により深くクライアント企業に携わるため稼働時間が多くなるでしょう。稼働時間が長くなれば、費用は高くなるのが一般的です。一方、短時間で単発のスポットコンサルであれば、稼働時間を数時間に短縮できます。

コンサルタントの人数

プロジェクトに参画するコンサルタントの人数や規模が大きければ、その分コストも上がります。一方で、小規模プロジェクトでコンサルタントが関わる範囲が限定されている場合は少人数で対応できるため、その分コストを抑えやすくなるでしょう。特に、ITコンサルタントなどが多数参画してサポートする場合、システム開発やアプリケーション改修に着手することもあり、費用が高くなりがちです。コンサルティング費用が安くても、外部の開発会社やフリーランスエンジニアを使うことになれば、その分の委託費用もかかってくるため、事前に試算しておきましょう。あらかじめゴールを明確にした上で、課題を解決してくれるコンサルタントを選ぶことがコストを抑えるポイントです。

コンサルティングファームの種類・規模

コンサルタントが所属するコンサルティングファームの規模も費用に大きく関係します。コンサルティングファームは、個人事業主や各士業から、独立系ファーム、グローバルに展開する大手ファームまで、種類や規模は多種多様。優秀なコンサルタントが集まる大手ファームは報酬単価が高くなる場合がほとんどです。海外進出を検討している企業であれば、グローバルに展開する戦略系コンサルティングファームが魅力的です。ただし、大手ファームの場合にはコンサル費用が高額になる傾向があります。

コンサルティングの難易度

企業の抱えている課題によっては、コンサルタントに対して高いスキル・豊富な知識が求められる場合があります。プロジェクトの難易度が高ければ高いほど、費用は高額になるでしょう。一般的に、難易度の高い経営課題に対応できるコンサルタントほど報酬単価が高くなります。プロジェクトや課題によっては、分野の異なるコンサルタントが複数必要になるかもしれません。

コンサルタントを選ぶ際の3つのポイント

1. 自社の経営課題を明確にする

まず、自社の経営課題を明確にすることが重要です。経営課題を明確にすることで、どのようなコンサルティングサービスを必要とするのかを把握することができます。次の3点は明確にしておきましょう。

  • コンサルタントに相談したい自社の経営課題は何か
  • その課題の原因は何か
  • 課題を解決して何を目指すのか

自社の経営課題を明確にしておくことで、簡潔に状況を説明できるでしょう。自社の課題や目標を明確にすることで、コンサルタントに求めるスキルや専門性を絞り込むことができます。また、コンサルタントも、相談者が何を不安に思っているのか、何を目指しているのかが分かるのでコンサルティングしやすくなります。

2. コンサルタントに依頼したい内容を明確にする

自社の課題が見えたなら、今度はコンサルタントに依頼したい内容を明確にします。その際は、自社内で解決が難しいのか、また自社リソースで対応できる範囲があるかを検討します。自社内で対応できる問題であれば、そもそもコンサルタントに業務を依頼する必要はありません。コンサルタントの助けが必要な場合も、範囲を限定できれば費用を抑えられるでしょう。コンサルタントへ依頼する際は、内容をできる限り具体化しておくことがポイントです。

3. コンサルタントとの相性をチェックする

最後に、コンサルタントとの相性をチェックすることが重要です。コンサルティングは一定期間にわたるパートナーシップ関係を築くことが多いため、相性の良いパートナーを選ぶことが成功へのカギとなります。面談やミーティングを通じて、以下の点を確認することをお勧めします。

  • 腹を割って話せるか
  • こちらの話をしっかり聞いてくれるか
  • 専門用語ではなく理解しやすい言葉を使ってくれるか
  • 業界への理解があるか
  • 質問や相談にすぐ対応してくれるか

実績豊富で報酬単価の高いコンサルタントであっても、長く付き合える人柄かどうかチェックしましょう。一方で、相性がよくてもぼんやりしたアドバイスしかしないコンサルタントは選ばないようにすべきです。コンサルティングのスタイルやアプローチが自社と合致しているコンサルタントを選び、信頼関係を構築しましょう。

まとめ

本記事では、コンサルティング費用の算出方法や費用相場について解説し、費用を踏まえた上で最適なコンサルティングファームを選ぶ方法を紹介しました。コンサルティング会社の選定は重要な決断ですが、適切なパートナーを見つけることで企業の成長や問題解決に大きく貢献することができます。是非、本記事を参考にして、自社に最適なコンサルティング会社を選んでください。