財務部門のオペレーション構築を担うFinance Ops。財務部門の属人化を防いだり、競合他社との競争優位性を担保したり、組織運営に欠かせない重要なポジションです。
本記事では、Finance Opsの業務内容や設置するメリット、設置の際の注意点について解説します。「財務部門の業務効率化を図りたい」「財務オペレーションを磨き上げて競争優位性を担保したい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
Finance Opsとは
Finance Ops(Financial Operations)とは、企業の財務部門のオペレーション化を推進するポジションです。会計面の数値と、業務オペレーションの数値を連結し、経営判断をクリアにする役割を担います。
ステークホルダーのためにも、企業価値そのものの実態をクリアにするのは大切なことであり、Finance OpsはCFOの傘下に置くべき重要ポジションといえるでしょう。
Finance Opsの業務内容
Finance Opsの主な業務内容は、以下の通りです。
- 財務部門の現状を調査して実態を明らかにする
- 財務部門の業務フローを定義・浸透させる
- 財務オペレーションを磨き上げる
Finance Opsは、財務部門全体におけるオペレーション構築を担っています。企業の運転資金管理を行う財務部門の業務改善を行うという意味でも、事業成長・組織拡大を支える重要な役割といえるでしょう。
Finance Ops設置のメリット
Finance Opsの設置には、以下のようなメリットがあります。
- 財務部門のオペレーション運用を効率化できる
- 個人のノウハウによる属人化を防げる
- 企業の競争優位性を担保できる
一つひとつ解説します。
財務部門のオペレーション運用を効率化できる
Finance Opsを設置する最大のメリットは、財務部門のオペレーション運用を効率化できることです。財務部門の複雑な業務フローを可視化・定義することで、従業員の迷いをなくし、業務効率を向上させます。
さらに、財務部門の現状を可視化するだけでなく、より効率よく運用するには何をどのように変えるべきか検討し、業務フローの変革をもたらすのも重要な役割の1つです。
財務部門のオペレーションが明確になることで、従業員1人当たりの業務量軽減、組織としての生産性向上につながるでしょう。
個人のノウハウによる属人化を防げる
従来の財務部門では、紙とスプレッドシートを多用して、個人のノウハウやスキルに依存した手作業が多く見られました。知識や経験が豊富なエース社員がいる企業では、財務関係の業務が滞りなく行われるものの、そうでない企業も多数存在していました。
特に、決算期間中の長時間労働が問題となっており、財務部門の従業員への過剰な負担が問題視されていました。Finance Opsの設置により、財務オペレーションが構築されると、「誰がやっても一定の成果につながる状態」を実現できます。
企業の競争優位性を担保できる
財務オペレーションを磨き上げることで、競合他社と比較した際の競争優位性を担保できるのもメリットの1つです。明確な業務改善プロセスが現場に定着し、業務オペレーションが磨き上げられることで、競合他社よりも優位な立場に立てるでしょう。
財務部門において標準化されたオペレーションの品質をさらに向上させるためには、Finance Opsが中心となり、財務オペレーションを磨き続けることが重要です。
Finance Ops設置の注意点
Finance Opsを設置する際は、いくつか注意点が存在します。
- オペレーション構築の知見がある人材を配置する
- 経営視点と現場視点の両方から判断できる人材を配置する
- 財務関係者からの合意を得る
財務部門のオペレーション改革を成功させるためには、適性のある人材を配置することが必要です。オペレーション構築の知見があるのはもちろんのこと、財務部門の現状を理解しつつ経営的な視点も持ち合わせた人材を採用しましょう。
また、オペレーション改革をする際は、現場の従業員からも協力を得ることが必要です。経営層と現場の両方のニーズを満たしつつ改革を進められるような、コミュニケーション能力の高さも重要な要素の1つといえます。
まとめ
Finance Opsとは、企業の財務部門のオペレーション化を推進するポジションです。財務部門における業務フローの定義・浸透という役割を担っており、事業成長・組織拡大を実現するうえで重要な役割を果たします。
よく読まれている記事